Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
ウナギの性成熟は飼育環境下では自発的に進行しない。このことがウナギの完全養殖法の確立を困難にしている。この内分泌要因として、性中枢における生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)の作用系が何らかの理由により抑制されていることが考えられている。ウナギが飼育環境下で成熟しない要因を明らかにすることを目的として、本年度は以下の研究を行った。私はこれまでに、ウナギから1種類のGnRH受容体を同定してきたが、ウナギのGnRHの作用機構を考える上で、ウナギが1種類しかGnRH受容体をもたないのかという点を明確にしておく必要がある。昨年度、ウナギと同じ硬骨魚類に属し、実験モデルとして扱いやすいメダカを用いてGnRH受容体の同定を試みたところ、メダカから2種類のGnRH受容体を同定することができた。本年度はさらに、メダカが3種類目のGnRH受容体をもつというデータを得た。メダカのゲノム解析により、この3種類目のGnRH受容体遺伝子は硬骨魚類の進化初期にゲノム重複によって生じた比較的新しい遺伝子であることが分かった。このことから、ウナギも3種類のGnRH受容体をもつのか否かに興味がもたれる。
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