Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
塩化水銀投与Brown Norwayラットにおける尿細管壊死後性腎間質線維化病変の発現機序に対するの免疫系の関与の検討を目的として、免疫抑制剤であるFK506(FK)あるいは抗炎症剤であるdexamethasone(Dx)の投与による本病変への影響を検索した。その結果、塩化水銀単回投与後にみられる尿細管病変はFK投与により尿細管壊死の後に正常に近いと思われる、好酸性細胞質を有する尿細管上皮細胞の再生が促進された一方、Dx投与では傷害の開始が遅れるものの、再生尿細管上皮細胞の細胞質は塩化水銀単独投与同様、弱好塩基性を呈していた。さらに、塩化水銀3回投与後はFK投与により、リンパ球・マクロファージ浸潤及び筋線維芽細胞の増数が抑制されるとともに、transforming growth factor-β1(TGF-β1)やplasminogen activator inhibitor-1(PAI-1)といった線維化関連因子の発現も抑制され、その結果、間質線維化も有意に抑制されていた。一方、Dxの投与では、リンパ球の浸潤は抑制されるものの、マクロファージ浸潤は抑制されず、筋線維芽細胞の増数も見られた。さらにTGF-β1やPAI-1の発現も抑制されず、結果的に塩化水銀単独投与群と同程度の線維化が認められた。これにより、本モデルにおいてはFKがマクロファージ浸潤抑制による線維化抑制効果を示し、マクロファージならびに筋線維芽細胞の腎間質線維化発現機序への関与が再度示唆されるとともに、尿細管上皮細胞の重要性も示された。さらに、可溶性TGF-βtypeIIレセプター遺伝子を導入したリコンビナントアデノウイルスを用いたTGF-β1たが、TGF-β1を抑制しても線維化が完全に抑制されず、線維化発現機序におけるTGF-β1dependent pathway以外の経路の存在の可能性が示唆された。
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