新規なポリケタイド合成酵素によるコンビナトリアル生合成を目指した基盤研究
Project/Area Number |
00J09832
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
鮒 信学 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 放線菌 / メラニン / III型ポリケタイド合成酵素 / GesA / RppA |
Research Abstract |
全ゲノム配列が決定されている放線菌Streptomyces coelicolor A3(2)のゲノム上に、我々のグループが発見したS. griseusのIII型ポリケタイド合成酵素(RppA)と、アミノ酸配列の相同性を有する蛋白(GesA)が存在することが明らかとなった。GesAの機能解析からGesAはポリタイドの一種であるジャーミシジン及びその類縁体を生産する酵素であることが分かった。放線菌においてジャーミシジンを生産させる酵素の報告例は無く、GesAは新規なIII型ポリケタイド合成酵素である。 S. griseus野生株のrppA遺伝子を破壊すると、破壊株は基底菌糸のメラニン様色素及び、胞子の緑色色素の生産能を失いアルビノ形態を示すことから、放線菌にはチロシナーゼによるDOPAメラニンの他に、RppAによる新しいメラニン生合成経路が存在することが分かっていた。S. griseusの染色体からgene walkingにより、rppAの上、下流併せて13.5-kbの遺伝子断片クローニングし、その塩基配列を決定した。rppAの直前には、様々な化合物の酸化に関わるP-450に相同な遺伝子(P-450mel遺伝子)が存在していた。次に、相同組み換えによりS. griseus染色体上のP-450mel遺伝子の大部分を欠損させた株を作製した。P-450mel遺伝子欠損株は緑色の胞子色素を生産せず、菌糸は野生株の茶色とは異なる薄い赤色を呈した。また、P-450mel遺伝子とeppAをtipAプロモーターの制御下に置き、多コピーベクターにより放線菌に導入したところ、深緑色の色素を大量に生産した。この色素をジアゾメタンで保護した後、各種クロマトグラフィーを用いて精製し構造を決定したところ、4,9-ジヒドロキシ-1,6,7,12-テトラメトキシペリレン-3,10-キノンであることが判明した。以上より、RppAとP-450melによるメラニンの生合成経路は、先ず、RppAが5分子のmalonyl-CoAからTHNの合成を触媒し、続いてP-450melがTHNを酸化的カップリングし1,4,6,7,9,12-ヘキサヒドロキシペリレン-3,10-キノンを生成するものであることが判明した。
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Report
(1 results)
Research Products
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