Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
1.硫黄欠乏によりGFPの蛍光強度が増加する形質転換シロイヌナズナを平成11年度に作製した。形質転換体の種子をEMSで変異処理して、硫黄栄養に応答した蛍光の変化がおかしくなった株を前年度までに25株単離している。本年度は、一遺伝子による変異株であることが確かめられた株について詳細な解析を行った。nbm1-1及びnbm2-1と名付けた変異株は、野生型株よりもGFP蛍光が強く、硫黄代謝系の遺伝子のmRNA量も増加していた。また、硫黄応答性遺伝子を制御する代謝産物であるOアセチルセリン(OAS)濃度が増加していた。マッピングの結果、NBM1-1は5番染色体上腕の70kbの範囲内に、NBM2-1は3番染色体上腕の180kbの範囲内にあることが分かった2.植物ホルモンと硫黄応答性遺伝子発現の関係を調べるために、上記形質転換体を7種の植物ホルモンを加えた培地で栽培した。するとサイトカイニンであるゼアチンを加えた場合のみGFP蛍光強度が増加した。硫黄代謝系遺伝子のいくつかのmRNA量もゼアチン添加により増加した。しかし硫黄欠乏によりサイトカイニン濃度は増加せず、OAS濃度もゼアチン添加により増加しなかった。Sucroseは硫黄代謝系遺伝子のいくつかを正に制御し、GFP蛍光強度もSucroseによって増加した。またゼアチン添加によりSucrose濃度が増加した。これらの結果から、サイトカイニンが硫黄応答性遺伝子の発現をSucroseを介して正に制御することが示唆された。3.イネESTクローン約8987個がスポットされたマイクロアレイを用いて、硫黄栄養によって発現制御される遺伝子の探索を行った。マイクロアレイの結果をノーザン解析で確認したところ、フェリチンとS-like RNaseのホモログの発現が硫黄欠乏で減少し、DnaJのホモログの発現が増加することが明かとなった。
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