現代中国外交における認識・規範構造と現実行動の関係についての分析
Project/Area Number |
00J09863
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Politics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
益尾 知佐子 (手島 知佐子) 東京大学, 東洋文化研究所, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 中国 / 対外関係 / 対外政策 / 対外連絡部 / ウェストファリア体制 / 世界秩序 / 共産党 / 外交 |
Research Abstract |
報告者は従来、1949年の建国以来の中国外交を理論付けする作業を進めている。そのためには、中国が世界の秩序をどう認識していたかを明確にしなければならない。前年度までの報告者の研究に基づけば、先行研究は中国と社会主義国との関係を規定するロジックの変化を見過ごしているという欠点があった。建国当初の中国は、主権国家を中心とするウェストファリア体制が社会主義国間関係をも包摂しているとは考えていなかった。そのため社会主義国間の関係は、主として共産党を主体とする指導者間の話し合いを中心に行われ、結果として指導者間の個人的関係に大きく左右されることになった。これまでの研究は、指導者間の論争を細かく分析してはいたが、それを規定した中国指導者の世界認識とその変化については問題意識が希薄だった。 報告者は、上述の問題を克服するために、従来の研究から視点を転換し、本年度は中国で社会主義国との実質的関係を担っていた中共中央対外連絡部(共産党の外交部に相当する)の工作内容の変化を調査した。社会主義国との関係を担う実働部隊となっていた彼らに光を当てることで、中国の指導者が各時期に実際にどのような命令を下していたかがわかるからである。対外連絡部の存在自体、70年代までは非公開で、現在もかつての活動についての資料は公開されていないため作業は困難を伴った。しかし個人的人間関係を利用したインタビューや内部資料の入手によって、その活動の輪郭を明らかにすることはできた。それによると、工作内容の転機は50年代半ばと70年代後半で、いずれの時期においても中国指導者の世界秩序観の転換が強く反映されていた。特に後者は兄弟党との関係を規定していたロジックを根本的に改める内容であり、82年の独立自主外交の提起が中国にとってはウェストファリア体制への全面的な参入を意味していたという報告者の従来の仮説が裏付けられる結果となった。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)