リン脂質分解酵素ホスホリパーゼD(PLD)の生理的役割の解析
Project/Area Number |
00J10225
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional biochemistry
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Research Fellow |
野上 真宏 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2000 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | ホスホリパーゼP / ラッフル膜 / EGF / Rac1 / 細胞生物学 / 細胞内シグナリング |
Research Abstract |
上皮増殖因子(EGF)受容体(EGFR)から、細胞運動に重要なラッフル膜形成に至るシグナル伝津メカニズムは不明である。EGFRはその活性化に伴い、細胞質領域の5つのチロシン残基(Y)が自己リン酸化され、下流シグナルを伝達する。そこでこれら5つのYに変異を導入したEGFRを用いてラッフル膜形成に必要なYの同定を試みた結果、992番目のY(Y992)がラッフル膜形成に必要であった。また、リン酸化Y992(pY992)を認識して結合する分子として同定されているホスホリパーゼCγ1(PLCγ1)のEGF刺激によるラッフル膜形成への関与について解析した。内在性PLCγ1の細胞内局在を解析したところ、EGF刺激によりPLCγ1は、pY992依存的に形成されたラッフル膜にEGFRと共局在した。EGF刺激によるラッフル膜形成は、ドミナントネガティブPLCγ1変異体PLCγ1およびPLC活性阻害剤のいずれによっても阻害された。以上の結果から、PLCγ1はEGF刺激によるラッフル膜形成に関与することが明らかとなった。また、EGF刺激を介したラッフル膜形成において中心的役割を果たすことが報告されている低分子量GTP結合蛋白質のRac1がpY992およびPLCγ1によって仲介される経路においても役割を果たすかについて解析した。EGF刺激によるRac1の活性化は、PLC活性阻害剤により阻害された。また、ドミナントネガティブRac1変異体によってpY992依存性ラッフル膜形成は阻害された。以上の結果からRac1変異体の活性化は、pY922およびPLCγ1によって仲介されるラッフル膜形成シグナリングにおいても役割を果たすことが明らかとなった。 また、EGFRの自己リン酸化を介さない、CrkIIが仲介するEGF依存性ラッフル膜形成シグナリングについても同様に解析したところ、この経路においてもRac1の活性化が必要であることが明らかとなった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)