新しいB細胞分化システムの確立による免疫グロブリン遺伝子再編成メカニズムの解明
Project/Area Number |
00J10238
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Immunology
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 いぶき 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | プレB細胞 / IL-7 / 遺伝子再構成 / TRANCE |
Research Abstract |
破骨細胞の分化因子であるTRANCEのノックアウトマウスは重度の大理石病を発症し、さらにB細胞分化がプレB細胞のステージで停滞していることが示されTRANCEがプレB細胞の増殖に機能する可能性が示唆された。そこで、TRANCEの発現を細胞株を用いて検討したところ、プレB細胞株に発現しており、未熟B細胞や成熟B細胞株では発現がみられなかった。細胞表面にプレB細胞レセプターを発現した細胞株PreBRは、IL-7依存性でありTRANCEを発現している。PreBRの培養系からIL-7を除くことにより未熟B細胞へ分化誘導させると、TRANCEの発現は1日目から低下し、さらにIL-7を加えることで1日目からTRANCEの発現が再誘導できた。このことから、TRANCEは、IL-7と協調して機能することが示唆された。次に、PreBRにTRANCE遺伝子を強制発現させ、分化誘導してもTRANCEの発現が変化しないtransfectantを作製した。このtransfectantでIL-7を除いて分化誘導させたとき、S/G2/M期の割合がmock transfectantに比べて50%増加していたが、κ鎖再構成に成功した細胞数はmockの14%に対して4%に低下し、さらにCD40の発現が誘導された細胞数は、mockの43%に対して3%に低下したことから、TRANCEはプレB細胞の増殖に機能し、その結果、未熟B細胞への分化効率が低くなったと考えられた。また、この培養系にOPGを加えても変化はみられないことや、RANKの発現がみられないことから、従来のTRANCE-RANK経路とは異なる経路を介することが推測された。以上より、TRANCEがκ鎖再構成前の、おそらく限られたIL-7濃度の骨髄環境においてプレB細胞の増殖を促し、再構成の効率を上げることに機能することが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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