Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
(1)昨年に引き続き酸窒化アルミニウム(γ-ALON)の熱力学的相安定性を確立するため、次式の反応の平衡測定を行い、次式の標準ギブズエネルギー変化を決定した。【numerical formula】これまでの結果を総合し、γ-ALON単相領域の熱力学安定性を、γ-ALONの結晶構造をに構築した熱力学モデルから試算した。その結果、γ-ALONの不定比性を考慮したAl-O-N-C系の相安定図を作製した。(2)高品位のAlN単結晶膜を得るために、γ-ALONが中間層として生成する条件でサファイア基板を窒化するという新しい方法を考案し実験を行った。その結果、AlN層は、γ-ALON層を介することにより、以下に示す結晶方位関係を満たしてエピタキシャル成長することがわかった。A面サファイアを用いた場合【numerical formula】C面サファイアを用いた場合【numerical formula】また、A面サファイア上には単結晶AlN膜が形成し、生成したAlN膜中には構造欠陥は殆ど観察されなかった。γ-ALON層は、AlN層とサファイア基板との格子不整合を約四分の1に緩和し、良好なエピタキシャル成長を引き出すことが分かった。以上の研究成果から、高温での化学平衡測定技術を確立し、Al-O-N系の熱力学的相安定性を決定した。その結果Al-O-N系の化学ポテンシャルを制御したプロセスを構築する熱力学的基盤を確立した。また、化学ポテンシャル制御プロセスの一例として、γ-ALONを緩衝層として用いたサファイア基板の直接窒化による単結晶AlN膜の作製を試みた。その結果、高品位の単結晶AlN膜の作製が可能であることが分かった。
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