Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
水は岩石の融点や物性を著しく変化させ看効果を持つため、沈み込み帯の火山活動や地震発生に多大な影響を及ぼしていると考えられている。沈み込むプレートによる水輸送の担い手はこれまで含水鉱物が主流であったため、含水鉱物がすべて不安定になる150km以深へは水は輸送されないと考えられていた。ところが、近年、含水鉱物以外の無水鉱物中にも少量の水が結晶の格子欠陥に溶け込むことが実験(Kohlstedt et al. 1996)、天然の鉱物(Bell and Rossman 1992)両者から報告されており、地球内部にはこれまでに想像していた以上に水が存在する可能性が示唆されていた。申請者は、200km深部まで沈み込んだ超高圧変成岩を用い、その構成鉱物の含水量を赤外分光法と二次イオン質量分析法を用いて定量的に見積もり含水鉱物が存在しなくとも800ppm程度の水が地球深部へ輸送されていることを明らかにした。また、高圧実験では、20GPa(深さ600kmに相当)において玄武岩組成からメージャライト(ザクロ石の高圧相)を合成し、その含水量を調べた。その結果、約1000ppmの水がメージャライト中に含まれることを明らかにし、少量の水が上部マントルの全域において循環し存在している可能性を示した。
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