Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
平成14年度は昨年度に引き続き,プラズマ生成部の改良などを行った。これらの研究の実績は以下の通りである。 1.空冷トーチを用いたプラズマ生成 ヘリウムICPは高いイオン化能力を持つにも関わらず,現状では一部の元素を除きアルゴンICPの性能には及ばない。その原因のひとつは,高温高密度なブラズマが生成されていないことにある。ヘリウムはアルゴンよりも熱伝導が良いので、同じ入力電力においても熱が外部に拡散するためトーチにかかる熱負荷が大きくなる。したがって,これまでのヘリウムICPでは高入力電力での運転は困難であり,本装置では0.65kW程度が限界である。これに対し,本研究では放電管の外側にトーチ冷却のための圧縮空気の流路を付加した空冷トーチを作成し,プラズマの生成実験を行った。そして,入力電力1.9kWを印加することが可能となった。さらに,この空冷トーチにパルス変調電力を適用した。その結果,プラズマ維持電力0.8kWに対し,ピーク電力3kWを印加することができた。そのときの発光強度は,パルスを印加しないときと比較して2倍程度であった。 2.トーチ改良によるプラズマの安定化 ヘリウムはアルゴンよりも動粘性係数が大きく,トーチ内壁に拾って形成される旋回気流が減衰しやすいので、気流による安定化効果を得るには工夫が必要であり,これまでの研究では,旋回気流の流速を高めることにより大気圧においてもヘリウムICPが生成可能となっていた。本研究では,さらに流れの均一性にも着目し,従来は1個であったガス導入口を2個に増やし,それらを対称に配置した。その結果,1割から2割程度のガス消費抑制効果があった。また,高速度ビデオなどによりプラズマの回転数を測定したところ,同一のガス流量および旋回気流の初速度においても,ガス導入口が2個の方が回転数が多く,気流による安定化効果が強いことが確認された。
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