Project/Area Number |
00J10320
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
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Research Institution | Ibaraki University |
Research Fellow |
大滝 由一 茨城大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 統計力学 / 有効理論 / 金融市場 / 資産分布 / 人工市場 |
Research Abstract |
多様な経済・社会現象に数理科学的方法を適用するために、系の大局的性質を記述する有効理論を発展させたい。特に代表的な有効理論である、熱力学の拡張を試みた。申請者は前年度までに、従来の大自由度の熱力学系ではなく、小数自由度ハミルトニアン系における熱・統計統計力学について研究を行った。平成14年度はその応用研究として、経済現象への統計統計力学の構築を試みた。 株式投資のみを行うトレーダーからなる孤立した理想的な人工金融市場を考え、トレーダーの資産形成を統計力学的視点から考察した。各トレーダーは、金融市場で株の売買を行い、各々の資産を形成する。もし多数のトレーダーが活発に売買を行うなら、全資産一定の制限の下でその資産分布は平衡に達するかもしれない。この平衡分布を基にして、金融市場における新しい統計力学が構築できる。 気体の分子運動論を基礎におく物理系の特徴は、平均エネルギーの回りに分布が集中する安定化の機構が存在し、全体としてマクスウェル・ボルツマン分布が実現することである。金融系を統計力学的視点で眺めると、エネルギーに対応するものは資産であり、気体分子間の衝突はトレーダー間の取り引きに対応する。一般的に金融系には、物理系のような強いランダムさや安定化の機構が存在しない。しかし、同種のトレーダーで構成される金融市場ではランダムさが保たれ、定常な資産分布が実現した。一方、異種のトレーダーが競合する場合、トレーダーに強弱の差が生じ、資産分布は安定な正規分布のような分布ではなく寡分布になった。 以上の研究成果は、「電子情報通信学会非線形問題研究会(2002年7月,茨城大学)」「第一回統数研/総研大「経済学」研究会(2002年7月,統計数理研究所)」「The Nikkei Symposium on Application of Econophysics(2002年11月,日本経済新聞社本社)」にて発表された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)