逆ミセル系での酵素活性を利用した新規な羊毛の加工法に関する研究
Project/Area Number |
00J10502
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
高分子構造・物性(含繊維)
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Research Fellow |
澤田 和也 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 超臨界流体 / 二酸化炭素 / 逆ミセル / 染色 |
Research Abstract |
本研究は、酵素の活性を利用して非水系において羊毛加工を行うことを最終目的として行ったものであり、同系中での染色加工への応用も研究対象として行った。本研究では、非水媒体中で界面活性剤が形成する逆ミセルを利用し、非水媒体中に酵素や染料の様な親水性物質を効果的に可溶化することを基礎概念としている。昨年までの研究では、非水溶媒として従来の有機溶媒から超臨界状態の二酸化炭素を用いることを検討した。そして、親二酸化炭素性を示す、PFPE(perfluoro-polyether)類および、POE(Poly-oxyethylene)鎖を構成単位に持つ数種の界面活性剤を選び検討を行った。実際、これらの界面活性剤を利用した染色への応用では、従来の水系染色に比べて極めて低温・短時間で染色可能であることが判明した。また、従来繊維の予備改質や特殊な染料の使用が必要とされていた、超臨界二酸化炭素中での天然繊維の染色において、本系を用いることにより、繊維や染料の予備改質は一切不要であるにもかかわらず、十分な濃色染色が可能であるという新規な結果も得られた。そこで、ミセル形成に関する基礎的試験をさらに蓄積し、応用化への重要な手掛かりとするため、プローブ法による超臨界二酸化炭素中での界面活性剤の会合挙動や、染料の溶解度についての詳細な検討を行った。その結果、通常の水系や有機溶媒系よりも低濃度で界面活性剤が会合することが判明し、染料のような親水性物質の同系中への溶解性は、逆ミセルが形成されていれば温度や圧力には殆ど依存しないという新たな知見も得られた。 本研究で行った検討範囲内では、最終目標の達成までには至らなかったが、応用化のための極めて重要な基礎的知見を得ることができ、今後の継続した検討により環境調和型の新たな繊維工業への応用化が可能であると確信している。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)