アジア型インフルエンザウイルスのヘムアグルチニン蛋白の抗原構造の解明
Project/Area Number |
00J10883
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Virology
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Research Institution | Yamagata University |
Research Fellow |
高下 恵美 (2002) 山形大学, 医学部, 特別研究員(PD)
土屋 恵美 (2000-2001)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | インフルエンザウイルス / ヘムアグルチニン |
Research Abstract |
アジア型インフルエンザウイルス(A/H2N2)のヘムアグルチニン(HA)は、1957年から1968年の流行期間中、球状部には終始169位に1本の糖鎖をもつだけで、糖鎖の増加はいっさい起こっていない。一方、現在も流行を起こし続けているA/H3N2ウイルスのHAは、1968年の出現当時には球状部に2本の糖鎖をもつにすぎなかったが、次第にその数を増やしており、1997年には6本の糖鎖をもつに至っている。また、A/H1N1ウイルスやB型ウイルスのHAも球状部に4〜5本の糖鎖をもっており、糖鎖の数を増やすことによって効率よく抗体圧から逃れている可能性が強い。A/H2N2ウイルスのHAにおける169位の糖鎖は、球状部に存在する唯一の糖鎖であることから、抗体圧からの回避に重要な役割を果たしていると考えられる。この糖鎖付加部位では、糖鎖付加モチーフ(NXS/T)が重複していた(169-NNTS-172)。重複部位では同時に2つのアミノ酸変異が起こらない限り糖鎖の欠失は免れる。この事実は重複部位における糖鎖付加の重要性を示唆する。同様の重複モチーフは20位の糖鎖付加部位にも見られた(20-NNST-23)。本研究では、HAの20,21位と169,170位に存在する重複糖鎖付加部位のうちの一方あるいは両方を人為的に欠失させるとH2分子の性状はどのように変化するかという点について解明を試みた。20,21位及び169,170位の重複糖鎖付加部位の一方あるいは両方を欠失させた合計12個の変異HA蛋白をCOS細胞で発現させ、その生物活性を野生型HAと比較した結果、H2分子の細胞内輸送能、レセプター結合能と膜融合能には、20,21位及び169,170位への糖鎖付加の有無ではなく、糖鎖付加部位を構成するアミノ酸配列が重要であることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)