プロラクチン放出ペプチド(PrRP)の生理学的機能の解明
Project/Area Number |
00J10918
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Endocrinology
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
藤原 研 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | プロラクチン放出ペプチド / UHR-1 / 中枢神経 / 最後野 / 副腎 / アドレナリン |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き、延髄最後野におけるPrRP発現の動態を詳細に明らかにし、更に副腎におけるPrRP発現を検討した。 報告者はこれまでにPrRPが中枢神経系においてストレス伝達物質としてCRH神経を活性化することで視床下部・下垂体・副腎軸を賦活化することを明らかにしている.そこで、副腎を摘出することで中枢のPrRP神経の発現、活性化の動態を検討した。まず、副腎摘出1週間後の延髄においてPrRPmRNA発現及びペプチド産生をin situ hybridization法と免疫組織化学的手法を用いて検出した。その結果、延髄最後野において、正常状態ではまったく見られなかったPrRP mRNA発現細胞及び、PrRP免疫陽性細胞が新たに出現することを発見した。さらに、副腎摘出後に主要な副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド、鉱質コルチコイド)、髄質ホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリン)の補充では、最後野に新たに出現するPrRP産生細胞を抑制できなかったが、副腎を皮下に自己移植すると最後野のPrRP発現が減弱した。このことは副腎に関わる何らかの液性因子によって最後野でのPrRP発現が新たに誘導されることを示している。また、副腎摘出により中枢のPrRP神経が活性化し、脳脊髄液中のPrRP含有量が増加することを明らかにした。これらのことより、副腎摘出は中枢のPrRP神経の活性を惹起し、更に最後野でのPrRP発現を新たに誘導することが明らかとなった。 一方、副腎におけるPrRP産生細胞の同定を行った。PrRPはそのほとんどが中枢神経系で合成されているが、末梢組織において副腎で高い産生が認められる。そこで、RT-PCR法を用いてPrRP及びPrRP受容体(UHR-1)の遺伝子発現を明らかにしたところ、副腎皮質では両遺伝子とも発現が認められなかったが、髄質においてそれら遺伝子発現が明らかとなった。さらに、副腎髄質単離細胞培養系をもちいて、免疫細胞化学的手法によりPrRP産生細胞の同定を行った。その結果、PrRPはtyrosine hydroxylase及びphenylethanolamine N-methyltransferaseを持つ細胞の一部で産生する。つまり、副腎髄質ではPrRPはノルアドレナリン細胞の一部で産生されることが明らかとなった。副腎髄質においてPrRP及びPrRP受容体が発現することから、副腎髄質でPrRPはautocrineまたはparacrine因子としての機能を持つことが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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