Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
重い電子系超伝導体CeCoIn_5はこれまで報告されている重い電子系の中で最も高い超伝導転移温度(Tc=2.3K)を持つ.昨年度の研究でCeCoIn_5は反強磁性スピンゆらぎの観点からCeIrIn_5 (Tc=0.4K)と比較してより磁気臨界点近くに存在していることを明らかにし,この磁気臨界性の違いが超伝導転移温度の差に反映されていることを示唆した.一方,CeCoIn_5のTcは加圧によりさらに上昇することがマクロ測定により報告されている.そこで本年度は昨年度の研究を発展させ,CeCoIn_5のスピンゆらぎの性質の圧力変化を調べた.その結果,加圧によりバンド幅は急激に増大し,それに伴い磁気臨界性が失われることが分かった.この結果からCeCoIn_5の超伝導転移温度は磁気臨界性だけでなく,系のバンド幅の変化にも大きく影響を受けていると考えられる. これに関連したCeRhIn_5についても昨年に引き続き研究を進めた.CeRhIn_5は常圧で反強磁性を示すが,1.6GPa程度の加圧により反強磁性が抑制され超伝導が出現する.反強磁性と超伝導が共存する圧力において測定した核緩和率の結果は,超伝導状態においても低励起の磁気励起が存在することを示唆しており,これは両相の共存故に実現する特異な状態であると考えられる.これと同様の振る舞いは昨年度に調べたCeCu_2(Si_<0.98>Ge_<0.02>)_2においても観測されており,低エネルギー磁気励起を伴う特異な超伝導は共存状態において出現する本質的な現象であると研究代表者は信ずる. これらの結果を,The 23^<rd> International Conference on Low Temperature Physics (LT23),日本物理学会年会等において発表した.
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