beta型トランスフォーミング増殖因子(TGFーbeta)の作用機構の基礎的研究
Project/Area Number |
01015022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮園 浩平 東京大学, 医学部第三内科, 助手 (90209908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 耕一 東京大学, 医学部第三内科, 医員
宮川 清 東京大学, 医学部第三内科, 医員
石川 冬木 東京大学, 医学部第三内科, 助手 (30184493)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 1989: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | TGFーbeta / 潜在型TGFーbeta / 増殖因子 / シグナル伝達 / 白血病 |
Research Abstract |
TGFーbetaの作用機構の研究として(1)潜在型TGFーbetaの構造解析と(2)その活性化機構、(3)TGFーbetaレセプターとシグナル伝達機構について検討を行った。(1)潜在型TGFーbetaの構造解析については本年度は遺伝子組替え型潜在型TGFーbetaを純化することに成功し、その構造をFPLCカラムによる分離やイムノブロッティングなどで調べた。その結果、少なくとも4つの異った構造を持つ亜型が見られることを見出した。一方、潜在型TGFーbetaのうち血小板などに見られるTGFーbeta結合タンパク質について、そのcDNAクローニングに成功し、このタンパク質が16ケのEGF様構造をくり返し持つ全く新しい物質であることを明らかにした。(2)潜在型TGFーbetaの活性化機構としては、遺伝子組替え型潜在型TGFーbetaの種々の白血病細胞に対する作用を調べた。活性型TGFーbetaはほとんどすべての白血病細胞の増殖を抑制するが潜在型TGFーbetaはほとんど作用を有しない。しかし、赤白血病細胞株HELに対しては活性型のものと全く同様に強力な増殖抑制作用を示すことから、生体で産生される潜在型TGFーbetaの作用がこうした一部の細胞に対する選択的なものであることが示唆された。(3)TGFーbetaレセプターとシグナル伝達機構についてはヒト口腔扁平上皮癌におけるTGFーbetaの作用を調べた。これらの細胞は細胞株によってTGFーbetaに対する反応性が著しく異なる。しかし、レセプターレベルではこれらの細胞株にはほとんど差がなく、TGFーbetaに対する反応の多様性はレセプター結合後のシグナルの相違によることが明らかとなった。TGFーbetaに対する反応性の低下は癌の悪性度に関与していることが示唆されており、今後これらの細胞のTGFーbetaのシグナル伝達機構の検討を続けて行く予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)