Project/Area Number |
01015113
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
松岡 雄治 福岡大学, 医学部, 教授 (70078773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白日 高歩 福岡大学, 医学部, 助教授 (20038863)
山本 博 福岡大学, 医学部, 助教授 (70099018)
黒木 求 福岡大学, 医学部, 助手 (10131822)
黒木 政秀 福岡大学, 医学部, 助教授 (40122692)
池原 征夫 福岡大学, 医学部, 教授 (70037612)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
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Keywords | 癌胎児性抗原 / CEA / glycolipid anchor / 正常糞便抗原 / 癌特異的抗原性 / 正常大腸粘膜のCEA産生 |
Research Abstract |
最近我々は正常大腸粘膜のCEA含量は従来の報告通り極く少量であるが、それをorgan cultureすると癌組織と同等かそれ以上にCEAを産生することを見出し、CEAの癌特異性の本態は正常粘膜と癌組織の間にみられるCEAの移送・放出機序の違いに求めねばならないと考え検討した。本年度次の知見を得た。(1)正常人の1日排便量(200〜250g)中に50〜70mgものCEAが存在する。(2)その約10%は新鮮糞便中で既に可溶化されている(自然可溶化抗原)。あとの90%以上はglycolipidを介して膜に結合して存在し、phosphatidylinositol specific phospholipase C(PIーPLC)により遊離される(PIーPLC可溶化抗原)。(3)従来正常糞便抗原(NFA)と同定されていたものは自然可溶化抗原であり、PIーPIC可溶化抗原の抗原性は癌組織のCEAと類似する。(4)これまでNFAとの比較から癌組織のCEAに特異的と考えられていた抗原性はCEA分子のC端部にglycosylinositol phosphate(GIP)の結合により生ずる抗原活性と考えられる。正常人の1日の排便量中に50〜70mgもの大量のCEAが存在することは、正常大腸粘膜でCEAが活発に産生されるという我々の知見を強く支持する所見である。しかもそれが膜結合型抗原として糞便中に存在するという新しい知見は、CEAの癌特異性の本態を単に上皮細胞から移送・放出機序に求めるのではなく、粘膜上皮細胞の増殖、分化、移動及び脱落の過程に求めねばならないという今後の新しい研究課題が生じたことになる。一方、我々が最近報告したごとく、CEAの癌特異的抗原活性と考えられていたGIPー依存性の抗原性をより強く認識するCEA測定系は腫瘍マーカーとしてのCEAの癌特異性、感受性及び精度を明確に向上させるので、血中に放出されるCEA分子上のGIPの有無がマーカーとしての有用性に大きく寄与しているらしい。従って癌細胞からどのような機序によりCEA分子が血中に放出されるかも今後解明すべき重要な研究課題となった。
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Report
(1 results)
Research Products
(15 results)