青少年期膝蓋軟骨軟化症の病態および予防治療に関する研究
Project/Area Number |
01440062
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
今井 望 東海大学, 医学部・整形外科, 教授 (30055743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
草山 毅 東海大学, 医学部・整形外科, 助手 (80186387)
戸松 泰介 東海大学, 医学部・整形外科, 助教授 (40112693)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Keywords | 膝蓋軟骨軟化症 / 軟骨損傷 / バイオメカニックス / 膝 / 剪断力 / スポ-ツ障害 |
Research Abstract |
1.膝蓋軟骨軟化症の実態調査:膝痛患者621名1242膝関節について動的大腿膝蓋関節造影を行い大腿膝蓋関節の適合不良の程度、軟骨障害の頻度、臨床像との相関について調べた。造影像はgrade1 62.1%、grade2 25.8%、grade3 6.7%、grade4 5.4%であった。臨床的にanterior knee painのあるものはgrade3,4に多い。膝蓋軟骨障害はgrade3,4の127膝中83膝にみられた。このことは膝蓋関節軟骨が膝蓋大腿関節のmalalignmentによって生ずる剪断力によることを示唆している。 2.実験的研究:新鮮豚膝関節軟骨を用いて油圧式サ-ボ疲労試験機で膝蓋関節軟骨に圧縮力及び剪断力を繰り返し加え荷重力および回数により軟骨、軟骨下骨にどの様な障害が生ずるか実験的に研究した。関節軟骨は摩擦係数が低いにもかかわらず接線荷重が比較的大きければその作用により摩耗損傷する。また圧縮荷重には軟骨及び軟骨下組織は高い強度を有している。一方接線荷重には軟骨下骨は破壊が容易に生じやすい。繰り返し荷重による関節面の損傷はある回数を境に急激に損傷が高度となる。これらの実験結果は大腿膝蓋関節適合不良による軟骨障害の発生及び進展とよく符合する。 3.家兎軟骨基底部損傷実験:家兎膝蓋軟骨基底部に人為的に損傷を作りその進展過程を観察すると大腿膝蓋関節適合不良でみられるclosed chondromalacia,open chondromalaciaの病理と一致するとこが多い。 4.これら3項の結果から膝蓋軟骨軟化症で関節面にかかる剪断力が発生のモ-メントとなっていることが明らかであり剪断力の除去が本症の予防、治療においても重要であると結論された。
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Report
(1 results)
Research Products
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