Project/Area Number |
01520007
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Fundamental law
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
和田 卓朗 大阪市立大学, 法学部, 助教授 (30109409)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1989: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 二枚舌の判決 / 贖罪金カタログ / 平和運動 / 刑罰カタログ / 糾問主義 / 拷問 / poena extraordinaria / stellionatus |
Research Abstract |
法的規律は、歴史の当初は、裁判手続という極めて外面的なレベルに留っていた。裁判という紛争解決形式を強制することはできず、当事者をしてかかる手続を選択せしめることに成功した場合も、手続自体の性格が差し当たりは仲裁的なものであり、後になって手続がいったん開始した以上は、それからの離脱が不可能になってからも、常に裁判上の決闘という抑制された形態のフェ-デに移行しうるという、当事者主義的性格のすこぶる強いものであった。そこでは判決は、自ずから「二枚舌の」判決という形式的なものとなった。 かかる裁判と法と形式的性格、狭義の証拠手続ないし事実認定の欠如がどのように克服されていったかという点については、ロ-マ法の継受の意義が一般的に示唆されるだけで、詳しいことは余り分かっていない。しかし、刑事法と刑事手続の分化が、その中で重要な意味を持っていると思われる。中世中期以降、平和運動の結果、もはや贖罪不可能の一連刑事犯罪が析出してきて、刑罪のカタログが贖罪金のカタログから分化する。後者については差し当たり裁判の形式性がなお維持されるが、前者については、13世紀後半以降、序々にではあるが、糾問手続の導入により、実態の糾明という思考が強まってくる。 当初は限定されていた刑罰カタログを流動化するについて大きな役割を果たしたのが、poena extraordinariaの概念である。かかる規律化の進展に対応して、stellionatusの概念も、興味深い変遷を経験する。18世紀後半になって、一応の紀律化が完成した段階で、糾問手続やpoena extraordinariaの恣意性が批判され、当事者主義と厳格な手続への揺り戻しが法改革の日程に登る。 以上を、次に掲げる4編の論文ないし講演とその草稿によって、明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)