Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
1.イギリス福祉国家史研究--社会保障制度を中心とする--の課題と方法を明らかにするため,従来の研究史を整理した。とくにとりあげた論点は,(1)国家の介入の必然性(国家と経済,国家と社会関係モデル),(2)市民権の発展と内容の拡充--とくに社会権の市民権による包摂--を中心にすえた国家(政治)と経済(社会)との関係の変化(「公共性の構造転換」),(3)欧米諸国における社会保障発達の諸段階--とくに社会保険の発展を中心に--,(4)イギリスの1880年代から1940年代にいたる社会保障発達史の時期区分(と各時期の特徴),(以上は裏面記載の論文に成果を公刊),(5)福祉国家の推進要因(または推進主体),および,(6)福祉国家の諸類型,(以上の(5)と(6)は未発表の手稿を作成し,おなじく裏面記載の近刊著書に収録される),であった。 2.「研究の目的」に記述したイギリス福祉国家の国民的特質が,とくにヨ-ロッパ大陸諸国(一つはスウェ-デン型,他はドイツ型)やアメリカ型と比較して,相当明らかにされた。これらの国々の社会保障の具体的あり方の相違は,各国の年金制度の特徴となって集約的に現れているとの見通しをえた。 3.以上の研究史の回顧と展望の文献サ-ヴェイと並行して,既発表論文の補筆修正を行い,研究費申請時に公約した成果を一本に纏めて公刊するという目標を達成することができた(本年6月刊行予定)。
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