従来の研究成果(オキシ酸を用いた抽出比色定量法)をイオンクロマトグラフィ-に応用するため、今年度はその基礎的デ-タの収集に努め、数種金属元素の同時定量の可能性について検討を行った。今回検討した3種類のα-オキシ酸(錯化剤)及び7種類の分析元素を下記に示す。 その結果、V(50ppm)とGe(100ppm)に関しては、どの錯化剤を用いても新たな錯陰イオンのピ-クは得られなかった。新しく観測されたピ-クの出現時間と波形について下記に示す。 このように、用いる金属イオン及び錯化剤の種類によって、生じる錯陰イオンのイオンクロマトの出現ピ-クが異なってくることより、本研究を遂行することにより数種金属イオンの同時定量が可能であると思われる。現在、より詳細な実験条件の検討(流速、反応pH域、波形、定量範囲等)を行い、高感度な同時定量法の確立をめざしている。
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