Project/Area Number |
01540565
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
植物生理学
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
水田 俊 高知大学, 理学部, 教授 (10036577)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | セルロ-ス合成酵素複合体 / 細胞壁 / セルロ-スミクロフィグリル / 原形質膜 |
Research Abstract |
今回の実験は、巨大細胞性緑藻マガタマモの遊離原形質膜上において結晶化セルロ-スを形成させる目的で行われた。マガタマモを材料としたのは、それが巨大単細胞なるが故非常に広い原形質膜が原形質分離により温和な状態で遊離可能なためである。ところが、原形質分離して得た原形質層は通常培養液に移すと直ちにくびれ、多くのプロトプラストになる。そこで、安定した原形質膜(層)を得るための条件を先ず調べた。その結果、培養液中のカルシュウムイオンがプロトプラストの形成を促進し、カルシュウムイオン除去下では原形質膜(層)は変形を起こさず形態的に安定した状態を保つことが分かった。プロトプラストの形成に対しカルシュウムイオンが如何なる作用をになうのかは、興味深い新しい問題である。遊離した原形質膜の中には、多くのセルロ-ス合成酵素複合体が埋没しているので、カルシュウム欠如状態において遊離した原形質層及び原形質を洗いだした原型質膜をインキュベイトし、これをネガティブ染色及びシャドウイング法により処理し、電顕で観察した。その結果、1時間インキュベイトした原形質層の表面及び原形質膜面両者において、マガタマモの結晶性セルロ-ス繊維とほぼ同じ形態をした複数の繊維状構造を確認することができた。また、繊維状構造の端には、セルロ-ス合成酵素複合体に類似した構造も確認した。これらの構造は、1時間以内のインキュベイトにおいては確認されなかったことから、原形質分離により遊離した後の原形質層表面及び原形質膜上において形成中の結晶化セルロ-スであろうと推定された。今後、もっと簡単な系に置き換えることによりセルロ-スの結晶化機構、複合体の化学構造等の解明が期待される。
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