Project/Area Number |
01560018
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
作物
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
沖 陽子 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 講師 (30127550)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Keywords | 水域環境 / 富栄養化 / 水生雑草の利用化 / イグサ属植物 |
Research Abstract |
近年、水系の富栄養化と護岸工事により水域環境に大きな変化が生じている。従って、市街地や農村地域に存在する水系を対象に水生植物の分布調査を実施し、より雑草性を有する水生植物を究明し、水質浄化や土壌改良剤に利用可能な水生雑草を模索した。一方、利用化の可能性の高いイグサ属植物について生理生態的特性の把握を行った。 1.種々の水系における水生雑草の分布と水質との関係 水環境が良好に保たれていた頃に広く分布していたジュンサイ、ヒツジグサ、アサザ、センニンモ、イバラモ、タヌキモ類が激減し、かわってヒジ、ササバモ、エビモ、オオカナダモ、マツモ、トチカガミが分布域を拡大していた。水系の富栄養化が確実に進んでおり植物相が貧弱になり、汚濁に耐えうる上述の種が優占化していることが実証された。抽水植物の種類数が少なかったのは、人工護岸の普及に伴う結果と考えられた。一方、本調査の結果から富栄養化に強く、かつ窒素、リン、カリウムの体内含有率が高い植物として、沈水植物ではマツモ、オオカナダモ、コカナダモ、浮漂植物ではトチカガミ、ホテイアオイが認められた。これらは水生雑草として問題を引き起こしている種である。従って、これらの水生雑草をうまく管理しながら水質保全に利用することが、今後の課題と考えられる。 2.イグサ属植物の生理生態的特性 本研究では、数種のイグサ属植物について、種々の土壌水分条件下での生育特性を把握すると共に、それに伴う茎葉部の形態的変化を観察した。その結果、湿潤条件で生育良好な系統が多かったが、湛水条件においても生育良好な系統もあり、通気組織を拡大しながら適応することが観察された。一方、畑状態でも生育可能で、気孔密度、柔組織面積、維管束密度の増加を伴いながら、低い土壌水分条件下にも適応することが明らかになった。従って、イグサ属植物は、浅瀬帯を利用して、水域環境の再生に役立つことが推測された。
|