あくび行動の発現機序における中枢オキシトシン性およびアドレナリン性神経の役割
Project/Area Number |
01570119
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
山田 勝士 福岡大学, 医学部, 助教授 (00037491)
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Project Period (FY) |
1989 – 1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1990: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | あくび行動 / ドパミンDー2受容体 / ムスカリンMー1受容体 / 中枢ノルアドレナリン性神経 / 中枢アドレナリン性神経 / オキシトシン性神経 / カルシウムチャネルアンタゴニスト / ドパミン受容体パ-シャルアゴニスト / ドパミン性受容体 / アセチルコリン性受容体 / 中枢アドレナリン性βー受容体 / 中枢アドレナリン合成阻害剤 / 中枢コリンエステラ-ゼ阻害剤 |
Research Abstract |
本研究では、ラットにおけるあくび行動の発現機序について検討を加え、以下の研究結果を得た。1.あくび行動は、選択的ドパミンDー2受容体作動薬のタリペキソ-ルの皮下投与によって誘発され、本あくび行動は、βーアドレナリン受容体遮断薬のピンドロ-ルあるいはαー1アドレナリン受容体遮断薬であるプラゾシンやブナゾシンの前処置によって増強された。2.ムスカリンMー1受容体作動薬であるRS 86およびAF102Bの皮下投与によってもあくび行動を誘発した。3.RS 86、AF102B、ピロカルピンおよびフィゾスチグミンの投与によって誘発されるあくび行動は、ピンドロ-ルの前処置によって増強されたが、プラゾシンやブナゾシンの前処置では影響を受けなかった。4.これらの薬物によって誘発される全てのあくび行動はムスカリン受容体遮断薬であるスコポラミンおよびαー2アドレナリン受容体遮断薬であるヨヒンビン、イダゾキサンあるいはラウオルシンの前投与によって著明に抑制された。5.ドパミンDー2受容体作動薬誘発あくび行動は、ジヒドロピリジン系カルシウムチャンネルアンタゴニストであるニフェジピンおよびニカルジピンの前投与によって増強されたが、非ジヒドロピリジン系のベラパミルやジルチアゼムでは増強されなかった。6.ムスカリンMー1受容体作動薬およびコリンエステラ-ゼ阻害薬によるあくび行動は、いずれのカルシウムチャンネルアンタゴニストの前処置によっても影響されなかった。 以上の結果より、あくび行動は、高感受性ドパミンDー2受容体あるいはムスカリンMー1受容体の刺激を介して発現し、また本行動に関与するドパミン性神経ーアセチルコリン性神経連絡系のアセチルコリン性神経活動に対してノルアドレナリン性神経が抑制的に、さらにアセチルコリン性神経に続く未知の神経に対してアドレナリン性神経が抑制的に制御していることが明らかとなった。さらに、あくび行動の発現に関与するドパミン性神経活動においてカルシウムが重要な役割を演じていることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)