小児造血器腫瘍のlineage診断:腫瘍細胞の遺伝子レベルでの解析
Project/Area Number |
01570529
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
多和 昭雄 大阪大学, 医学部, 助手 (00155277)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 重彦 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
原 純一 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
八木 啓子 大阪大学, 医学部, 助手
河 敬世 大阪大学, 医学部, 講師 (70107035)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | 小児造血器腫瘍 / lineage診断 / 免疫グロブリン遺伝子 / T細胞受容体遺伝子 / 遺伝子再構成 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
1.T細胞受容体δ鎖(Tδ)遺伝子再構成のlineage特異性の検討。 Tδ遺伝子の再構成は、Bリンパ系(B系)腫瘍23例中17例に認められ、同系腫瘍におけるTβ、Tγ鎖遺伝子の再構成(β:76例中21例、γ:51例中20例)より、高頻度であった。一方、急性非リンパ性白血病(ANLL)11例では、全例Tδ遺伝子は胎児型であった。以上より、Tδ遺伝子再構成は、ANLLとリンパ系腫瘍の鑑別には有用と考えられるが、Tβ、Tγ遺伝子の再構成と同様にT系腫瘍特異的ではないことが明らかとなった。 2.T系腫瘍におけるT細胞受容体遺伝子の再構成および発現の検討。 21例のT系腫瘍中、Tδ、γ、β、α遺伝子の再構成はそれぞれ、19、18、16、8例に認められ、Tδ遺伝子のみが再構成を示していた例が1例ありその逆はなかったことから、Tδ遺伝子が最も早い時期に再構成すると考えられた。また、Tδ遺伝子の発現は、phenotypeがより未熟なT系腫瘍で認められ、TβやTα遺伝子の発現に先行すると考えられた。 3.lineage関連抗原をもたないAULのlineage診断。 11例のAUL中、6例は、免疫グロブリンH鎖(IgH)遺伝子、Tδ遺伝子を含め多くの遺伝子の再構成が認められTdT遺伝子の発現も陽性であることから、リンパ系と考えられた。このうち1例では、Tβ、γ遺伝子さらには、CD3γ鎖遺伝子の発現も存在しT系腫瘍と考えられた。他の5例では、遺伝子はすべて胎児型で、またMPO遺伝子の発現も認められず、CD33陽性でミエロ系への分化傾向を示している1例を除き、そのlineageを同定するにはいたらなかった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)