自己免疫疾患マウスMRL/lprのIgGにおける糖鎖構造変化とその生理的意義
Project/Area Number |
01580174
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物質生物化学
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
水落 次男 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 助教授 (90133149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜子 二治 藤田学園衛生技術短期大学, 助手 (80180933)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 免疫グロブリン / 自己免疫疾患モデル / 糖鎖構造 / 慢性関節リウマチ / MRLマウス |
Research Abstract |
リウマチ因子(抗IgG抗体、RF)を産生するMRL/Iprマウスと対照のRFを産生しないMRL/nマウスの6ヶ月齢の血清を集めプロテインA-セファロ-スCL-4Bカラムにかけたところ、MRL/nマウスのIgG(Mn)はカラムに吸着し酸性緩衝液にて溶出したが、MRL/lprマウスのIgGはカラムに吸着せず遅れて溶出してくる画分(M1-I)とカラムに吸着し酸性緩衝液で溶出してくる画分(MIーII)に分画された。そこで、これら3種のIgG画分及びM1-IとM1-IIの混合物画分(M1)をそれぞれセファクリルS-300カラムにかけてさらに精製した。得られたIgG標品の純度はSD S-PAGE及び免疫化学的方法により高純度であることが確認された。つぎに、精製した4種のIgG標品をヒドラジン分解にかけてIgG糖鎖を定量的に遊離させた後、NaB^3H_4で還元してトリチウム標識オリゴ糖を得た。これを高圧濾紙電気泳動、Bio-Gel P-4 HPLC、RCA120-HPLC、各種グリコシダ-ゼによる逐次分解分析等にかけて糖鎖構造を調べた。その結果、どのIgG標品でも中性糖鎖が主成分であり、シアル酸を1〜2分子含む酸性糖鎖も少量存在すること、脱シアル化中性糖鎖は±Galβ1→4GlcNAcβ1→2Manα1→6(±Galβ1→4GlcNAcβ1→2Manα1→3)Manβ1→4GlcNAcβ1→4(±Fucα1→6)GlcNAcで示される8種類の構造を有していることを明らかにできた。さらに、8種の糖鎖の存在比率はMnとMl-IIでは殆ど同じであったが、M1及びMl-IではMnと比較してガラクト-スを欠いた糖鎖が顕著に増加し、RFを産生する慢性関節リウマチ患者と同様に、IgG糖鎖の主成分となっていることが明らかとなった。以上の事実は、慢性関節リウマチ患者で見いだされたIgG分子の糖鎖異常が種を超えてRF産生MRL/1prマウスにも存在しており、しかも、対照のMRL/nマウスにはないIgGサブポピュレ-ションの存在により生じていることを明白に示している。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)