周辺農耕地に非常用遊水機能を付加させた豪雨防災都市構想に関する研究
Project/Area Number |
01601029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
鈴木 義則 山口大学, 農学部, 教授 (70081495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 誠而 山口大学, 農学部, 助教授 (80038299)
中山 敬一 千葉大学, 園芸学部, 教授 (90009697)
堀口 郁夫 北海道大学, 農学部, 教授 (10001439)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 1989: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | 国土数値情報データ / 遊水池 / 前線性豪雨 / 対流性豪雨 / 雨量の代表性 / 畑作物の冠水害 / 石狩川 / 利根川 |
Research Abstract |
農耕地自体に集落・都市地域の人命・財産の保護を使命とさせる機能をもつ豪雨防災都市構想を検討した。北海道、関東、中国、九州などを対象に都市周辺域での遊水地可能面積を国土数値情報データの画像解析を通して算出した。流出と降雨特性の検討並びに犠牲を強いられる農作物に対しては冠水被害尺度を確立するための基礎実験を行った。 1.遊水池可能域の検討例 北海道地域では札幌市を中心に昭和年代の豪雨による洪水記録から、石狩川水系の堤防の破堤限界量と必要遊水量を解析し、札幌市周辺部を水害から守るための必要遊水量は約2億トンであること、そして遊水地可能域は石狩川中流域の標高10-12mの範囲であり、この地を水深1mで遊水池化すれば前述の2億トンを一時的に貯留でき、大都市への氾濫を防止することが可能と判断された。 関東地域では利根川沿いの低地を対象に遊水地可能域を調べ、栃木県では現存の遊水地の約1.25倍もあり、しかも利根川の堤防頂部より4-5m以上も低いので貯水能力が高いこと、当該地区の代表地点における過去の洪水流量の最大値は1.7万m^3/secで、これが想定遊水地に流入すと仮定して得られる可能域全体の水位増加速度は1m/30分弱で、この付近の堤防の高さからみて洪水回避能力は非常に大きくなることを示した。 2.降雨と洪水位の検討例 中国、九州地域の雨の降り方を比較し、前線に伴う豪雨は短時間の雨量強度は小さいが積算雨量が大であり、対流性の豪雨は時間的集中度が大あることを明かにした。アメダス観測網より小さな流域での3点の雨量観測点がある場所の降雨の地点間差は最大雨量の生じた前後3時間雨量で3倍であったが、流出ではタンクモデルによると差が8倍にも達する事例があった。雨量の代表性は防災対策に大きく影響する。 3.作物の冠水害被害の検討例 ラッカセイ、レタス類は冠水により収量の低下のみならず品質の低下という著しい障害を受け、補償は前者で冠水3日間、後者は半日間以上で考慮する必要が明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)