Project/Area Number |
01648505
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平野 恒夫 東京大学, 工学部, 助教授 (40011027)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 振動混合則 / 静電場 / ホルムアルデヒド / 摂動 / 分子設計 / 基準振動 / 遷移基準振動 / 反応座標 |
Research Abstract |
分子の反応性の理解と予測は、分子構造の理解と予測とならんで「分子設計」に期待される最も重要な分野の一つである。触媒反応を考えてもわかるように、一般に周囲の分子または分子団の部分電荷からの電場の影響のもとでの反応性を問題にする必要がある場合が多く、気相孤立分子に関する量子化学的情報に基づいて電場下での反応性を予測する手法の開発は、「分子設計」の基礎と展開にとって重要な課題である。本研究では、反応が外場としての静電場の影響を著しく受けて進行する場合についての「反応設計」を目指して、「振動混合則」を外場から摂動として加わる電場下のもとで振動混合則に拡張するための定式化を行って理論的に遷移基準振動の発生するメカニズムを追求し、望ましい反応を助長するためにどのような電場に曝することが有効であるかを若干のモデル反応系を用いて検討して反応設計への応用の道を開拓したいと考えた。本年度はまずMOPACプログラムに手を加えて点電荷による静電場の影響を取り込めるようにし、実験的にホルムアルデヒドの周りに電荷を配し振動計算を行った。振動計算に際し、電荷と分子の相対位置は固定したままで構造最適化を行い、ヘシアン行列の対角化を行った。これはエネルギ-の一次微分(幾何学的力)が無視できるような摂動を考えたからである。具体的な配置としては、酸素原子の真下2.5Åの位置に電荷を固定し電荷の大きさを様々に変えて基準振動の変化を調べた。ホルムアルデヒドは6つの振動モ-ドをもつ。振動混合則より互いに振動数が近くの外場との相互作用項が大きいモ-ドがよく混じりあうことがわかるが、そのことはマッピングにより確認できた。ただ遷移基準振動に至るようなモ-ドは見い出されなかった。結論として電荷を分子のそばに配する効果は、振動数の低下すなわち結合の活性化に結び付くことがわかった。
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