老人性痴呆症の機構解明:脳透析膜法を用いる新しい神経化学的研究
Project/Area Number |
01658505
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
加藤 武 横浜市立大学, 大学院総合理学研究科, 教授
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 脳透析法 / 痴呆症 / 線条体 / 大脳皮質 / アセチルコリン / ド-パミン / コレシストキニン |
Research Abstract |
老人性痴呆症の生化学的知見はマイネルト核由来のアセチルコリン神経の破壊が知られている。一方海馬、扁桃体内の細胞も破壊を受けていることの報告もある。私共はこれまで脳内コレシストキニン神経も痴呆に関与すると考えて研究を行なってきた。今回はラット脳の成長に伴ってコレシストキニン量の変化のみならず、生合成の出発点であるmRNA量も同時に測定した。その結果、神経投射型ではペプチド量/mRNAの比が高いことがわかった。これまでコレシストキニンを脳透析膜法で測定し、その神経の真の活動を調べたいと考えてきた。今年はその測定に成功したので、これから痴呆への応用を試みる。 痴呆はアセチルコリン神経のみならず色々な神経にも影響を与えるものとおもわれるが、関連した報告が少ない。今回、脳透析法を用いてアセチルコリンのみならず他の神経伝達物質例えばド-パミンも同時に測定する方法を研究した。現在までのところ、ラット線条体内でしか同時測定できないが、将来は大脳皮質などへの応用を考えている。痴呆薬の開発は世界的にも大変興味が持たれている。SMー10888は従来の化合物(エゼリン、タクリン)に比べて脳移行性が高い。この薬物は脳内のアセチルコリン分解酵素を阻害するため、痴呆によってアセチルコリン量が減少した患者に用いれば脳内アセチルコリン濃度が上昇して記憶保持の回復が可能と考えられる。私共はこの薬物が脳内大脳皮質のド-パミン放出も促進させることから、脳内ド-パミン特に前頭連合野のド-パミンも痴呆の治療に役立つことを示唆した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)