Project/Area Number |
01F00028
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
佐藤 英行 東京都立大学, 理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SAHA SHANTA RANJAN 東京都立大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
SAHA S. R.
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 一軸圧力実験 / 重い電子メタ磁性体 / 異方的混成効果 / 充填スクッテルダイト化合物 / 対称性破壊効果 / 四重極近藤系 / 量子振動現象 / 重い電子超伝導体 |
Research Abstract |
一軸圧力実験は、(1)異方的混成効果と(2)対称性破壊という、強相関電子系(SCES)における多くの異常現象を理解する上で重要な役割を担う二つの効果を調べるには大きな可能性を持っている。この二つの観点から、以下に述べる研究の進展が成された。 (1)の観点について、メタ磁性的異常(MA)を示すヘビーフェルミオン物質CeRu_2Si_2について研究を進めた。一軸圧力(P_u)を加える結晶方位により極めて異方的な応答が観測された。つまり(P_u)をc-軸に加えると近藤温度は上昇するのに対し、a-軸に加えると逆に、僅かではあるが減少したのである。この結果は、一軸圧力をc-軸(a-軸)に加えることにより、主にCe-Ru間距離が増加(あるいは減少)することが4d-4f電子相関の増加(減少)をもたらすことによるとして解釈できることを示した。同じ考え方から、5f電子メタ磁性体として特異な位置を占めるUCoAlにも一軸圧力測定を適用した。P_uをa-軸に加えるとメタ磁性磁場は高磁場側に移動し、c-軸に加えると逆に低磁場側に移動する。この結果は、d-5f電子混成効果を異方的に制御したことによるとして理解できる。 観点(2)について、多くの新奇な現象を示し、次世代熱電材料としての応用も期待されている、充填スクッテルダイト(RETr_4Pn_<12> : RE=rare earth, Tr=Fe, Ru, Os and P=pnictogen)について研究が進められた。非フェルミ液体(NFL)異常を示す重い電子半金属CeRu_4Sb_<12>では、磁場と一軸圧力方位の異なる配位でのShubnikov-de-Haas (SdH)振動の変化を観測する事により、フェルミ面の異方的な変化を確認するとともに、NFL異常圧力による抑制を確認した。既に、PrFe_4P_<12>において確認したPr充填スクッテルダイトの異方的一軸圧力応答(一軸圧と磁場方位の)をより広い観点から理解するために、他の興味深いPr充填スクッテルダイト(結晶場基底状態が明らかにされていない、金属-非金属転移を示すPrRu_4P_<12>、異常な重い電子超伝導特性を示すPrOs_4Sb_<12>など)に適用する計画を進めた。一軸圧力実験には多量の純良単結晶が不可欠であり、参照物質LaRu_4P_<12>を含めて、単結晶育成を行い、純良単結晶の育成に成功した。これら物質の理解に重要なdHvA効果の必定は、PrRu_4P_<12>、及びPrOs_4Sb_<12>について観測に成功し、フェルミ面の決定を行った。また、PrRu_4P_<12>、PrOs_4Sb_<12>の一軸圧力下での磁化・輸送測定を行った。
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