Project/Area Number |
01F00081
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
物質変換
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福住 俊一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHANDRAN Menon Saija 大阪大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
MENON S. C.
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 水中 / pH選択的 / 炭素-炭素結合形成反応 / アクア錯体 / 鈴木カップリング反応 / ヘック反応 / ヒドロキソ錯体 / X線構造解析 |
Research Abstract |
私はソフトドナー原子であるテルルを含有する大環状化合物を酸化還元能を有する錯体触媒に利用することを目指して研究をスタートさせ、昨年度は大環状配位子を有する希土類ルイス酸錯体が電子移動触媒として有効に機能することを明らかにしました。平成14年4月からは、「パラジウムアクア錯体触媒を用いるpH選択的炭素-炭素結合形成反応の開発」を行いました。従来、水中での炭素-炭素結合形成反応には、水溶性置換基を持つトリフェニルホスフィン配位子を持つ水溶性錯体触媒が用いられてきました。しかしこの方法では、触媒反応にpHによる選択性を導入することは困難でした。そこで私は,溶媒である「水分子」を配位子として利用することを考えました。なぜなら、金属イオンに水分子が配位したアクア錯体は,水溶液中のpHを変化させることで、容易にヒドロキソ錯体に構造変化するからです。例えばpH変化により、触媒活性なアクア錯体(スイッチON)と触媒不活性なヒドロキソ錯体(スイッチOFF)を作りわけることができれば、水中での触媒反応をpHで制御できるからです。本研究では、SNSピンセット配位子(2,6-bis(phenylthiomethyl)pyridne)を持つパラジウムアクア錯体の合成を行い、その錯体をpH選択的触媒とする水中鈴木宮浦カップリング反応と水中溝呂木ヘック反応について検討しました。錯体の構造はエレクトロスプレーイオン化質量分析装置およびX線構造解析により決定しました。その結果、3-ブロモ安息香酸との反応では,ターンオーバーナンバーは、1万と言う高い数値を示しました.さらに、従来水溶液中では非常に困難だった、3-クロロ安息香酸との反応でも触媒反応が起こります。このように、合成した新規水溶性パラジウムアクア錯体が非常に高い触媒活性を示すことを見い出しました。
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