Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
研究内容は以下の2つに分けて実施した。 (1)ヒ素汚染地下水の浄化:我々の研究室でこれまで開発してきた多段土壌層法を利用して、バングラディッシュのヒ素汚染地下水問題に対処する有効な方策を開発すること。 多段土壌層法を利用して、ヒ酸や亜ヒ酸で汚染された地下水の浄化が可能かどうか検討した。その結果、適切な通気条件と酸化鉄や酸化マンガン等吸着媒体を使用すれば高度浄化が可能であることを実験室レベルで確認した。今後はバングラディッシュ現地でこの多段土壌層装置が有効に使用可能かどうか実証試験を行う必要がある。浄化戦略としては2つの方向がある。一つは多段土壌層法を生活排水や用水の高度浄化処理に使用するシステムの実証、もう一つはヒ酸や亜ヒ酸を含む地下水を多段土壌層法を利用して飲用可能なレベルまで浄化するシステムの実証である。これは現地での長期間の試験が必要であるので、特別研究員のモシン氏がバングラディッシュに帰国後に次の共同研究として実施したい。 (2)水田土壌の過去30年間の劣化、特にヒ素及びその他の重金属汚染の拡大の状況の調査。 今までに採取した66の表土(Ap層)試料(1967年に22ヶ所、1995年に44ヶ所で採取)のAs含有量をX線分析法により測定し、バングラディッシュの1967年から1995年間のAs含有量の分布と変化を各地形ごとに解析した。Old Himalayan Piedmont Plain(OHP)および北西部のTista氾濫原(TF)とBarind Tract(BT)の土壌中では平均6.22mg/kg^<^1>未満とヒ素含有量は低かった。北部及び西部のNorthern and Eastern Piedmont Plains(NEP)、中部及び南東部のBrahmaputra Floodplain(BF)、Madhupur Tract(MT)、Meghna River and Estuarine Floodplain(MF)、Chittagong Coastal Plain(CCP)の土壌中のヒ素含有量は平均6.22から8.70mg/kg^<-1>の範囲であった。27年間でヒ素含有量はOHPのAtwari(10%)およびJagdal(5%),TFのPirgacha(8%),BTのBelabo(25%),GFのFaridpurからGhior(19%),MTのKalma(12%),MFのTippera(9%)およびGumti(6%),SKFのPhagu(35%),そしてHartaseriesの泥炭(12%)で増加した。しかし,バングラデシュ全体として見ると,表土中の平均ヒ素含有量は1967年から1995年の間に4.82%減少とほとんど変わっていない。
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