Project/Area Number |
01F00110
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
動物生理・代謝
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
富岡 憲治 山口大学, 理学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SINGARAVEL Munyyandi 山口大学, 理学部, 外国人特別研究員
SINGARAVEL M.
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 昆虫 / 視葉 / 概日時計 / セロトニン / 色素拡散ホルモン様ペプチド / 概日リズム |
Research Abstract |
本年度は、セロトニンによる位相反応曲線、PDFmRNAのアンチセンスオリゴによる位相変位の解析、および抗PDF抗体を用いたELISAによる視葉PDF含量の解析を試み以下の結果を得た。 1)セロトニンの前駆物質である、5-hydoroxytryptophan(5-HTP,50mMl,22nl)の視葉内微量投与では、主観的夜に位相の後退が、主観的昼に位相の前進が引き起こされた。最大の位相後退はCT18に最大の位相前進はCT6であり、この結果は培養下にある単離視葉をセロトニン処理した場合とよく類似していた。一方、セロトニン(10mM,22nl)の微量投与では主観的夜に約1時間の位相前進が、主観的昼の前半では約1時間の位相後退が生じ、培養実験の結果とは一致しなかった。現在、セロトニン濃度を変えるなどして、この理由を検討中である。 2)PDFmRNRのアンチセンスオリゴ(500pmol/ml,32.2nl)の投与では、投与の位相に依存した位相変位が誘発され、主観的昼の後半では約1時間の位相後退が、逆に主観的夜の後半では約1時間の位相前進が生じることが明らかとなった。 3)明暗サイクルの下で一日のいろいろな時刻に摘出した視葉からタンパク質を抽出し、抗PDF抗体を用いたELISAにより視葉内PDF含量を検討した。その結果、PDF量は夜の終わりに最も多く、明期に徐々に減少し明期の終わりに最も減少し、その後徐々に増加する周期的な変動を示した。この結果は、PDFが昼の後半から暗期の前半にかけて分泌されている可能性を示唆しており、昨年度得られたPDFの位相反応曲線と合わせて、PDFがこの時期に時計の位相を微妙に調整するらしいことが示唆された。 以上の結果から、セロトニンとPDFは概日時計に質的に異なる制御分子として作用することが明らかとなった。セロトニンはすでに時計間の相互作用に関わることが示唆されている。今後、PDFの時計の位相制御が時計機構の中でどのような機能的な意味を持つのかに興味が持たれる。
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