持続可能な水生生態系管理と開発途上国への管理技術の移転
Project/Area Number |
01F00112
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
水工水理学
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
浅枝 隆 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KARNARATNE Shiromi C. S. 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
KARUNARATNE S. C.
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | Phragmites australis / 刈り取り / 地下茎 / 生態系管理 |
Research Abstract |
平成14年度は、特にモデリングに必要なデータ収集のために抽水植物の生態調査と、それに基づいたモデリング、沈水植物の室内実験を中心に研究を進めた。フィールド調査では、わが国の湿地環境における主要な種として、ヨシ、ヒメガマ、マコモ、オオクグの生態調査を行い、従来報告されていた事実の検証の他に次のような新しい結果を得た。(1)ヨシの炭水化物、栄養塩の循環においては、春の発芽時、葉茎の初期生長時には古い地下茎の貯蔵物を利用し、夏場、葉茎の生長終了後の地下茎への貯蔵は年齢に関係なく行われる。しかし、秋には若い地下茎に輸送が行われ、古い地下茎から若い地下茎への輸送も行われる。(2)ヒメガマにおいては、葉茎の生長が初秋時にまで継続されるために、葉茎の生長終了後の地下茎への輸送は若い地下茎を中心に行われる。(3)ヨシについて仮説がたてられていた、栄養塩が豊富な土壌および貧弱な土壌における、群落内のassimilation typeとtranslocation typeの二つのタイプの栄養塩循環の過程が、ヒメガマにおいても生じていることが示された。さらに、マコモにおいては、初期生長時に葉茎についての顕著なself-thinningを行うことによって、assimilation typeの栄養塩循環を行っていることが示された。(4)マコモにおける顕著なself-thinningは、他種の進入を妨害するものと考えられることが示された。 室内実験においては、ヒロハノエビモを中心に生長実験を行ってモデリングに必要なデータを得るとともに、付着藻が生長に及ぼす影響を求めた。この結果、付着藻が繁殖することによって、ヒロハノエビモの生長が著しく妨げられることが示された。 以上の結果を元に、ヨシにおける生長・分解モデルを作成し、栄養塩循環への適用、ガマ、ヒメガマにおける生長モデルを作成することにより、ガマとヒメガマの競合への適用、緯度の違いによる地上部、地下部のバイオマスの違いの評価に対する適用、刈り取りの影響の影響評価への適用、オオクグの生長モデルの作成およびヨシとの競合の解析への適用等のモデリングを行い、いずれも良好な結果を得た。さらに、従来の観測のみでは得られなかったメカニズムの把握においても様々な結果を得ることができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)