高性能熱電特性を目指したナノ構造熱電半導体材料の開発とその量子サイズ効果探索
Project/Area Number |
01F00187
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
|
Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
三谷 忠興 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JE KOO?CHUL 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 外国人特別研究員
JE K.-C.
|
Project Period (FY) |
2001 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | 熱電材料 / 電気伝導度 / 熱起電力 / BiTe系熱電材料 / 熱伝導率 / 熱電性能 / 計算 / 焼結体 |
Research Abstract |
熱電変換材料の分野では、近年新しいコンセプトや材料の提案が盛んに行われるようになり、何十年にも渡ってずっと低迷していた熱電変換効率が一挙にあがり、新材料開発競争が激化している。応用面でも、従来からあるペルチエ冷却素子だけでなく、環境調和を想定した熱電発電など新しい分野も急速に開き始めている。本研究では、より高性能な熱電材料の開発を目指し、ナノメートルサイズの粒子を用いた焼結体を中心としたナノ構造熱電材料における特異な熱電物性をしらべ、ナノ領域における熱電物性にはたらく基本的な物理を探索することを研究目的とする。本年度の、研究実績は以下のようである。 1.主に低温熱電材料として使われるBiTe系熱電材料を対象に、電気伝導度、熱起電力、熱伝導度といった熱電関連物性の焼結過程での違いを調べるために、前年度確立した熱電性能の温度依存性や電荷密度依存性などの計算手法を、単結晶、多結晶、焼結体構造を扱えるように、粒子サイズや粒子間の凝縮の仕方による系全体の異方性を統計的に扱えるように拡張した。拡張モデルにより計算した結果は、ホットプレス法により焼結した焼結体の測定結果を温度依存性や組成依存性などもうまく説明し、モデルの妥当性が立証された。しかしながら、熱電度率については、絶対値の面で、実験値のほうがおおむね大きくあらわれ、また、温度依存性も若干異なることが分かった。一般に、熱伝導率は実験の誤差が大きいことと知られているが、理論とのより正確な対応を議論するためには今後さらに正確な測定がよくされることが指摘され、今後の課題としてあげられた。また、これらの計算結果により3次元のバルク状態における熱電性能指数は、粒子のサイズやキャリアーの制御により大きく改善されることや最大性能指数を持つ温度の制御が可能であることが示された。 2.ナノ粒子を用いた焼結体の熱電物性の計算モデルを基本として、2次元系の薄膜構造の熱電特性の計算に適用できるように拡張した。特に、薄膜のような2次元系の場合、熱的特性が低い電荷密度においても影響されやすいため、計算の精度をあげるため、2バンドモデルで緩和散乱理論をもちいて、熱電材料の薄膜を対象に電気伝導度、熱起電力、熱伝導度など熱電関連物性の計算を行った。薄膜構造においては、バルク材料にくらべ、キャリアーや格子の束縛効果により、高い熱起電力や低い熱伝導度をしめし、熱電性能が大きく改善されることが確認され、モデルの妥当性が立証された。ただし、本計算ではフォノンの散乱効果を3次元モデルを用いたが、より正確なフォノンの束縛効果の計算のためには2次元モデルで計算することが必要であり、今後の課題として挙げられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)