Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
本研究では,海水中で炭酸錯体として安定に存在する3価希土類元素REE)が,石灰岩の形成過程で海水から石灰岩に取込まれることに着目した.そして,本邦中・古生代海洋島型礁性石灰岩とインド後期原生代-前期カンブリア期の石灰藻型礁性石灰岩を検討試料として,古代礁性石灰岩に残された海水REEの記録から,地質時代の海水REE存在度,海水・大気の酸化還元条件,大気炭酸ガス分圧,などを読み取り,地質時代における地球環境の変遷を検討するための基礎資料を得ることとした.この為には,CaCO_3/海水系のREE分配に関する自然界での事実のみならず実験室系での基礎実験データの取得も重要であり,両面からの検討を進めた.そして,以下の結果を得た: 1)インドの原生代〜カンブリア紀石灰藻型礁性石灰岩試料のREE分析を進め,本邦の海洋島型礁性石灰岩のREE分析との対比も可能となった.大陸棚起源の石灰藻型礁性石灰岩を幾つかのタイプに分類できることも判って来た.この分類は原生代以前の石灰藻型礁性石灰岩にも適用できる可能性がある,大陸棚起源石灰岩は,陸源性物質の混入を受けることで,REEパターンでは海洋島型礁性石灰岩とは異なるものが多い.しかし,陸源性物質の混入程度が小さい試料も確かに存在する.これらの試料は当時の沿岸海水の特徴を保存し,海洋島型礁性石灰岩との共通性が認められる.これは世界で初めての明確な結論で,2002年8月,スイスでの国際会議(Goldschmidt Conference)で発表すると共に,論文1編を出版した.また,本邦の海洋島型礁性石灰岩に関する論文1編も報告した.ここでは,本邦の後期古生代の海洋島型礁性石灰岩が,その当時の海水のSr同位体比,REEパターンを保存していることを明確にした. 2)実験室におけるCaCO_3/海水系REE分配係数の直接決定実験も進展した.REE分配係数実験値とREE(III)炭酸錯体生成定数から推定される海水からカルサイ(CaCO_3)に濃縮するREEの分布パターンは,海洋島型礁性石灰岩のREE分析結果とほぼ対応することが判った.この結果を論文にまとめ国際誌に投稿した.返送されてきた査読結果では,3名の査読者は何れも出版を支持しているが,付帯意見があり,現在,これにを考慮した改訂稿を準備中である. 3)本研究経費により,ICP発光分光分析装置の制御コンピュータとそのソフトウエアを更新し,良好な実験データ取得が再度可能になった.これは上記の研究遂行の礎となった.
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