Project/Area Number |
01F00246
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉藤 正明 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIANG HONGZE 東北大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
LIANG Hongze 東北大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 低配位リン化合物 / 立体保護基 / キレート錯体 / パラジウム錯体 / ホスファエテン / タングステン錯体 / カップリング反応 / アリル化反応 / ホスファインダン / ホスファエテニルリチウム / 電荷移動錯体 / 硫化反応 |
Research Abstract |
かさ高い2,4,6-トリ-t-ブテルフェニル基の立体保護効果を利用して、速度論的に安定化されたジホスフェンやホスファエテンのような低配位リン化合物が近年種々合成されている。本研究では、以下に述べるようなホスファエテンに関する興味ある研究結果が得られたので報告する。まず、2-メチル-3,3-ジフェニル-1-(2,4,6-トリ-t-ブチルフェニル)-1,3-ジホスファプロペン3-スルフィドを合成した。そのタングステン、パラジウム、白金錯体を合成単離し、構造解析を行った。タングステン錯体の生成に際しては、先ず、タングステン金属がSにモノ配位し、次にsp2型Pへの配位が起こり、段階的に2座配位子としての配位を許容していることが観測され、それぞれの段階での構造を確認した。さらに、2-メチル-3-スルフィド体を配位子とするジクロロパラジウム錯体は、いくつかの有機合成反応の触媒として有効であることがわかった。まず、フェニルアセチレンとヨードベンゼンとの薗頭カップリング反応が、室温で、ほぼ定量的に進行した。また、同じく、ヨードベンゼンとフェニルボロン酸との鈴木カップリング反応もよい収率で進行した。アニリンのアリルアルコールによる直接アリル化反応もこの2座配位子をもつパラジウム触媒で進行することがわかった。このように、本研究を遂行する段階で見いだされたP,S-2座配位子を有する遷移金属錯体が、いくつかのクロスカップリング反応の触媒として有効であることが見いだされ、今後の展開と研究の発展が期待される。
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