Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
揮発性有機化合物約20種類の溶質のナノろ過・逆浸透膜10種類による分離実験を行い各溶質の阻止率を求めた。まず,実験手法の検討として,マイクロ固相抽出・ガスクロマトグラフ質量分析法(SPME-GCMS)による膜分離系での微量揮発性有機化合物の定量方法を確立した。この結果を利用し,多くの膜における阻止率を実験的にしかも簡易に精度良く求めることが可能であった。その結果,最も緻密な低圧逆浸透膜を用いた場合であっても,クロロホルムのように阻止率が50%以下の溶質があることがわかった。約20の溶質について得られた結果を昨年までに行った半揮発性物質の結果と合わせて分子量にかわる分子幅コンセプトで結果を比較検討した。その結果,すべての膜において,分子幅の方が分子量よりも良い説明変数となることがわかった。特に,揮発性物質の中でも,ベンゼン・キシレンなどの疎水性の強い平板構造の溶質と臭素系のトリハロメタン類の阻止率の予測で,分子幅によるアプローチが一般に言われる分子量による予測よりも良い結果を与えることが明らかになった。しかしながら,大きさだけでは説明できない因子が残ることがわかり,逆浸透での解析に広く用いられている溶解度パラメーターと細孔内拡散速度などを合わせたアプローチが必要であることがわかった。移流と拡散項に分けて障害因子を加味したモデルを用いて,特に0.3MPa以下での低圧での逆浸透・ナノろ過法の溶質阻止特性についてシミュレーションを行った。
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