Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
光励起された半導体表面を用いる有機化合物の分解反応は,近年多数の研究者によって研究され,多くの議論の的になってきている.導電性ダイヤモンドは,酸素発生反応の電位が高いことから,この影響を受けるこのなしに,有機物の分解を効率良く行なえる可能性のある電極である.また,ドープ量のコントロールにより,半導体性をコントロールすることが可能である.この特徴を活かして,分解効率の高い光機能性材料の開発を行なうことが,本研究の目的である. 本年度は,半導体および導電性をもつダイヤモンド電極における有機物の分解反応について詳細に検討を行なった. 導電性ダイヤモンド電極を用いた有機物の分解においては,その対象物質をアニリンおよびクロロフェノールとし,電極電解反応の経時変化の印加電圧依存性を計測した.この結果から,ダイヤモンド電極上では,電極界面における直接電解反応に加えて,電極表面に生成するOHラジカルをメディエータとした酸化反応が同時に進行することが明らかになった.これらの物質のダイヤモンド電極上での電解反応速度は,既存のグラッシーカーボン電極や白金電極に比べ非常に早く,電解開始後,約8時間で完全に分解できることが明らかになった.ダイヤモンド電極は,これらの有機物を不純物として含む汚水処理に有効な電極材料であると推測される. また,導電性ダイヤモンド電極において得られた分解反応に対する特異性をもとに,p型半導体ダイヤモンド電極における有機物の酸化分解を試みた.その際,p型半導体界面で生じる反応をin situで電気化学的手法のみならず,分光学的手法を用いて反応経路の解明を試みた. さらに,半導体電極に特徴的な光励起に対する応答性を利用し,ダイヤモンド電極の光機能材料への応用の検討を開始した.
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