バングラデシュ産淡水フグの毒について一未知の猛毒クルペオトキシンおよびアオブダイ毒の解明に関連して
Project/Area Number |
01F00315
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Fisheries chemistry
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
荒川 修 (2002-2003) 長崎大学, 水産学部, 教授
野口 玉雄 (2001)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MAHMUD YAHIA 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 外国人特別研究員
MAHAMUD Y.
|
Project Period (FY) |
2001 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
|
Keywords | ハコフグ / アオブダイ中毒様食中毒 / 遅延性溶血活性 / パリトキシン / 酸素免疫学的手法 / テトロドトキシン / 細胞内微細分布 / リソゾーム / バングラデシュ / 淡水フグ / アオブダイ / Ostreopsis sp. / 血清クレアチンホスホキナーゼ / 遅延性致死活性 |
Research Abstract |
本年度は、まず、新たにバングラデシュで採取した淡水フグ数十検体につき毒性を調査したが、アオブタイ毒類似の遅延性毒はほとんど検出されなかった。そこで当初の計画を変更し、宮崎県で発生したアオブダイ中毒様食中毒について疫学調査を行ったところ、以下のような中毒の概要が明らかとなった。 2003年2月20日、宮崎県延岡市沖の島浦島で釣り上げられた"ハコフグ"を男性2名が喫食し、このうち筋肉と肝臓の大部分を食べた1名が、11時間の潜伏時間を経て、横紋筋融解症、ミオグロビン尿症、CPK値の急激な上昇を呈して中毒した。これら諸症状の回復には数週間を要した。喫食者の証言によれば、問題の"ハコフグ"は皮膚に六角形の紋様がみられ、前額部に"ツノ"があったという。ハコフグOstracion cubicusにそのような"ツノ"はなく、従って、原因魚はハコフグに類似しているが、これとは異なるハコフグ科魚類であると推察された。次いで、中毒患者の発症2日目の血清(CPK値80,500 IU/I)につき、既報の方法に基づいて溶血活性試験を行ったところ、濃度50μl血清/mlで抗パリトキシン(PTX)抗体により抑制される遅延性の溶血活性を示したことから、原因物質をアオブダイ毒と同様のPTX類縁体と推定した。 一方、酵素免疫学的手法を用い、フグにおけるフグ毒テトロドトキソン(TTX)の組織内微細分布ないし細胞内超微細分布に検討を加えたところ、TTXの分布は魚種により異なり、ナシフグでは皮膚の腺組織や卵母細胞内の卵黄胞、卵黄球なド、オキナワフグでは皮膚の分泌細胞や卵巣内の結合組織、卵母細胞核などに毒の分布が認められること、ミドリフグにおいては、TTXは皮の未分化基底細胞と分泌細胞に見られるが、さらに微視的には基底細胞中のリソゾームに局在すること、などか明らかとなった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)