Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
ヴィクトリア褐炭(Loy Yang炭)および化学処理によって含有金属種を除去あるいは担持した改質褐炭を平成13年度に開発したワイヤメッシュ反応器(WMR)において迅速熱分解(粒子加熱速度:1000°C/s)した.実験結果に基づき,褐炭初期熱分解におけるタール収率に及ぼす気相圧力の影響を明らかにした.タール収率は,1〜10bar,10〜20bar,20〜60barの範囲で,圧力の増加とともに,それぞれ減少,増加,および減少する.このようなタール収率の複雑な変化は,タールの放出が粒子内拡散流れおよび強制対流流れの二つの異なる物質移動機構に支配されるためであることを初めて明らかにした.粒子からのアルカリおよびアルカリ土類金属の揮発に対する圧力の影響を系統的に調べ,その結果,これらの金属種の固体残さ(チャー)からの揮発は、チャー内の水素ラジカルによる還元(炭素質と金属間の結合切断)と金属の粒子内拡散が揮発特性を支配する極めて重要な因子であることを見出した. 平成13年度に開発したドロップチューブ/固定層反応器において,迅速熱分解チャーのin-situ水蒸気ガス化特性を検討した.実験結果を詳細に解析した結果,褐炭から生成したチャーのin-situガス化特性は,初期チャー中に反応性の大きく異なる二つの成分が存在し,それぞれは一次反応機構に従いガス化するという二成分並列反応モデルによって定量的に説明できることを明らかにした.さらに,これらの二成分の分率およびガス化速度定数に及ぼす,温度および気相全圧,水蒸気分圧の影響を明らかにした.以上に加えて,固定層/管型反応器を用いたチャー/揮発成分分離型水蒸気改質の実験研究も実施し,気相におけるタールの水蒸気改質がチャーから揮発したアルカリ金属種によって促進され,その結果,すすの生成が著しく押さえれることを初めて見出した.
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