Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
本研究は,分散型エネルギーシステム用熱機関として数kW級マイクロガスタービンに注目し,その主要構成要素である燃焼器内の低レイノルズ数流れの現象を数値解析的手法により解明し,安定でかつ高効率な小型燃焼器の開発を目的としている.燃焼器としては,燃料ノズルを中心に複数の空気噴流孔が環状に取り巻くマルチ噴流孔の提案と開発を行っている.本年度は,このマルチ噴流孔の各噴流孔の大きさと相互位置関係,そして流量が混合促進効果に与える影響を検討し,効果的な燃焼器の形状の開発を行った. まず昨年度に引き続き,燃焼器内の解析に用いる計算コードの改良と開発を,新たに考案した複数の計算手法を取り入れつつ行い,非構造格子に基づく計算コードを完成させた. 燃料と空気の混合割合の評価方法として,燃料の質量(濃度)輸送方程式を解き,その拡散分布を基に評価を行っている.その結果,マルチ噴流孔を用いると同軸2円管の場合と比較して混合が促進し,レイノルズ数が100の場合では,燃料が半径方向に十分に拡散するに要する主流方向距離が1/4以下に縮小された.また,レイノルズ数が増大するに従い,この効果がより顕著に表れた.これは,マルチ噴流孔では,それぞれ周方向と管軸方向に軸を持つ三次元的な循環流が形成されることに帰する.これらの循環流は,燃料孔下流で逆流領域を形成し,燃料を管半径方向へ輸送する効果をもたらす.この循環流の大きさ及び位置は,主に燃料と空気の噴流の流速比に影響される.よって燃料と空気の流量比や,噴流孔径比,孔数,そして空気噴流孔の管半径方向位置にそれぞれ混合促進効果の最適値が存在し,その値を本計算結果から見出している.更に,旋回流など噴流孔上流の流れの境界条件を複数検討し,噴流孔下流での燃料と空気の混合現象への影響を示した.また,噴流孔上流部に後ろ向きステップを設け,その設置位置によって噴流孔下流での混合現象を制御する新たな方法も提案している.これらの内容を3本の論文にまとめ,現在国際論文集での掲載待ちとなっている.
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