Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
研究1 歯周病細菌Porphyromonas gingivalis (Pg)感染した肺炎マウスにおける局所・全身のTNF-αおよび可溶性TNFレセプターの産生動態 近年,歯周病細菌が何らかの経路で遠隔臓器に感染し,様々な為善作用を及ぼすことが知られるようになってきた。しかし,その詳細な生体反応のメカニズムについては不明である。本研究は,代表的な炎症性サイトカインであるTNF-αおよび可溶性TNFレセプター(sTNFR)の産生動態を指標に,Pg感染性肺炎が全身にどのような影響を及ぼすのかを調べた。 【方法】Pg感染を肺炎マウスにおいて,経時的にその肺抽出液および血清中のTNF-αおよび可溶性TNFレセプターの産生量を市販のELISAキットを用いて調べた。 【結果】肺抽出液中:TNF-α量は,Pg感染後2時間で有意に高い値を示した。また1型sTNFRの産生量は,感染の有無に関わらず変化しなかったが,2型sTNFRの産生量は,感染後1-3日まで有意に高い値を示した。血清中:TNF-α量は,感染の有無に関わらず変化しなかった。また,2型sTNFR/1型sTNFR比は,Pg感染後2時間で有意に高い値を示した。 【考察および結論】Pg感染後,肺局所において産生されたTNF-αの為害作用は,局所・全身ともに2型sTNFRの産生量が増すことによって抑制制御されている可能性がある。したがって,TNF-αを中心とした局所炎症の拡がりを制御するには,2型sTNFRが有効なのかもしれない。 研究2 ラット唾液腺に発現させた抗菌ペプチドを用いた歯周病抗菌療法における基礎研究 近年,医科額域における遺伝子治療の発展は目覚ましい。この流れから,我々は歯周病における遺伝子治療の応用を検討している。本研究では,ラット唾液腺に遺伝子を強制発現するための有効な手段を探るため,効率のよい遺伝子導入法を検討した。 【方法】ラット唾液腺に電気的手法,化学的手法および直接法の3種遺伝子導入方法でβ-gal遺伝子を発現させ,その発現強度を比較検討した。 【結果】化学的手法による遺伝子導入方法が,他の手法に比して有意に高いレベルでβ-galを発現した。 【考察および結論】歯周病抗菌療法には,化学的手法を用いた遺伝子導入法が有効な手段であることを示唆する。今後,βデフェンシンなどの抗菌物質を唾液腺に強制発現させ,歯周病抗菌療法の応用に向けた有効性を検討する予定である。
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