Project/Area Number |
01J00093
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
千賀 愛 東京学芸大学, 連合学校教育学研究科・博士課程発達支援講座, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ジョン・デューイ / デューイ実験学校 / 特別な教育的配慮 / 多様な困難・ニーズ / ハル・ハウス / カリキュラム編成 |
Research Abstract |
平成14年度は、研究課題「デューイ教育学と特別な教育的配慮を要する子どもの補償理論」を遂行すべく、子どもの多様な困難・ニーズに応じる教育実践とその理論・原理を中心に検討を行い、次の3つの検討課題に取り組むとともに、課程博士論文「デューイ教育学と特別な教育的配慮のパラダイム-実験学校の多様な困難・ニーズヘの教育実践-」を提出した。 (1)デューイ実験学校の設立(1896年1月)から閉校(1904年春)までの教育実践の展開過程を、初年度から3年度目を含む前期と、4年度目以降の後期に区分し、学校の基本的組織(子ども・教職員の人数、校舎・教室配置等の基本的な教育条件)、学校の運営・財政(教職員や親の組織、学校の経営・財政)、カリキュラム・教育方法・集団編成の三つの観点から検討した。(デューイ実験学校と教育実践の展開、東京学芸大学紀要、第54集(第1部門・教育科学)/東京学芸大学)。 (2)デューイ実験学校の教師がカリキュラムを編成するうえで、多様な子どもの発達的ニーズをどのように把握し対応していたのかという観点から、同校のカリキュラム編成の具体像を実践記録等の一次史料を分析し明らかにした。デューイは、類似の発達段階の子どもであっても、子ども自身の「能力、傾向、ニーズを諸活動に適切に表現させ」「一人一人をよく研究していく」ために、教師は子どもの傾向を発達の観点からとらえつつ、一人ひとりの子どもの興味・注意力・資質・ニーズは異なっているという視点をもつこと、"子どもの多様性の前提"のもとに子どもを理解・把握することが求められた(デューイ実験学校と子どもの発達的ニーズに応じるカリキュラム編成論、東京学芸大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要27集)。 (3)シカゴ市内の貧困地区で移民問題や児童問題に取り組んでいたアダムズを中心とするハル・ハウスのソーシャル・セツルメントにおいて、シカゴの児童・教育問題に直面したデューイが、公教育改革や実験学校の教育課題として、何をどのような視点のもとで引き取ったのかをハル・ハウスの史料やデューイの手紙をもとに検討した。デューイは、ハル・ハウスでのセツルメント活動やアダムズらとの交流を通じて、シカゴに蔓延していた貧困・移民問題・児童労働・疾病・不就学・障害などの子どもの多様な困難・差別・特別ニーズに直面し、その困難・差別・ニーズに真正面から向き合う思想性が鍛えられ、ハル・ハウスにおいて特別な配慮・ケア・サービスの方法を具体的に学ぶなかで、とくに子どもの教育ニーズに対する特別な教育的配慮・ケアの問題を実験学校の教育実践の課題に引き取った(ハル・ハウスのセツルメント運動とデューイ、日本教育学会第61回大会発表)。
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