Project/Area Number |
01J00285
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General fisheries
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
竹垣 毅 長崎大学, 水産学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 淘汰圧 / 成熟 / 成長 / 繁殖 / エネルギー消耗 / 越冬死亡 / サイズ依存 / 有明海 |
Research Abstract |
本研究は、ハゼ科魚類ムツゴロウの成熟年齢の低下に与えるサイズ選択的な漁獲圧(淘汰圧)の影響を明らかにすることを目的としている。平成13年3月より、熊本県横島町の唐人川河口北岸に20X30mの漁獲区と非漁獲区を設置して野外実験を開始したが、昨年度および今年度の調査ともに実験区画を区切った柵(エンクロージャー)の不備と増水による崩壊で実験のコントロールができなかった。そのため本年度は、昨年度本調査域で採集したムツゴロウ1229個体の年齢査定を実施し、成熟年齢を1990-91年の調査結果と比較検討した。鷲尾(1992)の報告では最高年齢は3+歳、成熟年齢は2+歳とされているが、本調査では最高齢は7+歳が確認され、また1+歳の繁殖参加が増大していることが明らかとなった。最高齢については年齢査定方法の差違が影響している可能性も考えられるが、成熟年齢の低下は顕著であった。これは冬期の活動時間やエサ資源の増加などにより、停滞するはずの冬期の成長が促進されたことが原因ではないかと考え、現在解析を進めている。また、繁殖期間も1990年に比べて2潮(約1ヶ月)も長くなっていることが明らかとなった。この点についても、成長の良い1+歳魚が繁殖期の後半に繁殖に参加していることが影響しているのではないかと推察し、現在解析中である。このように1+歳魚が経験した最初の冬の成長(すなわち当歳魚時の成長)が個体群動態に与える影響が徐々に明らかになりつつあるが、これと平行して当歳魚の越冬生残についても一昨年から研究を進めている。水槽実験および野外調査の結果、当歳魚の越冬死亡には低温度とエネルギー消耗の両方が関係していることが明らかとなった。また、小型個体が選択的に死亡するサイズ依存越冬死亡が確認され、その原因の1つが小型個体の高いエネルギー消耗率であることが示唆された。
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