Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
流体の臨界点近傍では,比熱や圧縮率など物性値が大きく変化する.比熱の増大により熱はほとんど伝わらないと考えられていたが,現在では,波動により伝搬されることが知られている.しかしながら,熱伝搬に関する詳細な解析や重力場中における対流不安定性について,あまり解明されていないのが現状である.本研究では,臨界点近傍の流体中での温度擾乱伝搬と重力場中における対流不安定性について実験を行い,きらに数値解析を行っている. 本研究では,臨界点近傍CO2が封入された水平流体層を下面から加熱した実験を行った.ここで,昨年度は落下等を用いた微小重力実験も行った.また,この問題に関して,流体力学的不安定性を考慮した固有値方程式を導出し,理論的考察を行った.さらに,エントロピーの圧力依存性を含めたエネルギーの式を用い数値シミュレーションを行った. 本年度は,昨年度行われた微小重力実験や地上実験をもとに,臨界点近傍流体中における熱伝搬と対流不安定性に関する総合的な考察を行った.その結果,以下の結論を得た.(1)臨界点近傍流体中では,熱はピストン効果と呼ばれる波動により伝搬し,地上では浮力対流の影響が大きい.(2)地上において臨界点近傍流体を下面から加熱した場合にお発生する不安定性では,臨界点に近づくに伴いその発生波数は大きくなり理論解析と定性的に一致する.(3)臨界点近傍流体を加熱した場合に形成される温度境界層により無次元化すると,対流不安定性をうまくまとめることが可能となり,小さなRaで不安定が発生することがわかった.(4)臨界点近傍流体を熱伝達の媒体としてみた場合,熱伝達率は臨界点に近づくに従い大きくなる.(5)熱伝達率の増大は,本研究で作成した数値計算プログラムにより得られた結果とほぼ一致した.
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