Project/Area Number |
01J00388
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Hematology
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
坂本 比呂志 熊本大学, 発生医学研究センター, 助手
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | EphB4 / 赤血球 / チロシンキナーゼ / 細胞接着 / c-CBL / CrkL |
Research Abstract |
チロシンキナーゼは血管新生および造血機能においても重要な働きをしている。なかでも、Ephは哺乳類において巨大なチロシンキナーゼファミリーを形成し、各メンバーの遺伝子破壊マウス(KO)は個体発生の段階においてEphが様々な働きをしていることを示している。EphB4 KOおよびそのリガンドであるEphrinB2 KOは血管の形成異常による胎生致死を示す。EphB4は血管内皮細胞のみならず赤血球の発生段階においても、その発現が赤芽球のBFU-Eに一時的に観察される。そこで、我々はEphB4の赤血球産生における役割を検討するために浮遊細胞を用いた検討を行った。GM-CSF依存性赤白血病細胞株UT-7/GMは内因性にEphB4を発現しており、濃度依存的にEphrinB2をコートしたディッシュに接着し、フィロポディアが亢進した。またEphrinB2はフィブロネクチンによる接着を相加的に亢進し、他のEphメンバーで報告されている接着の阻害を示さなかった。さらに、このフィブロネクチンへの接着機能亢進作用は、EphrinB2を可溶化状態で刺激した際にも観察され、細胞内からの細胞接着機能への調節作用が考えられた。そこで内因性にEphB4を発現していないIL3依存性pro-B細胞株Ba/F3に、EphB4の野生型(EphB4wt)および各種変異型を安定発現させた細胞株を樹立した。EphB4wt発現Ba/F3 (EphB4wt/BF)はUT-7/GMと同様にEphrinB2濃度依存的に接着した。この接着は、チロシンキナーゼ活性を失活させた変異型EphB4発現株(EphB4KD/BF)および細胞内領域を欠損させたEphB4発現株(EphB4dC/BF)においても観察された。また、EPhrinB2依存的な接着時のフィロポディアの形成も、EphB4wt、EphB4KDおよびEphB4dCのすべてで認められた。そこで、次にEphB4による細胞内分子の変化を検討した。UT-7/GMにおいて各種分子のチロシンリン酸化とともに、c-Cblのリン酸化は亢進しCrkLと会合した。EphB4wt/BFおよびEphB4KD/BFにおいても、このEphrinB2依存的なCrkLとc-Cblの結合が観察された。以上の結果から、EphB4は、EphrinB2依存的な接着を示し、その接着はEphB4の細胞内領域に依存していないことが示された。
|