複合糖質リピドAの生物機能解明を目指した化学的研究
Project/Area Number |
01J00594
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Bioorganic chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
深瀬 嘉之 大阪大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | リピドA / アシル基 / アフィニティー分離法 / ライブラリー / ダイバージェント / バルビツール酸 / 活性発現機構 |
Research Abstract |
免疫増強活性複合糖質リピドAの脂肪酸部が生物活性発現に果たす役割を明らかにするために,様々なアシル基を導入したリピドAライブラリーの構築について検討した。我々はバルビツール酸とその人工レセプターとの親和性を利用したアフィニティー分離法をすでに確立し、合成各段階における精製を容易にした。また共通の二糖中間体を合成した後,脂質部を順次導入するダイバージェントな経路をとることによって,様々なアシル基を有するリピドA類縁体の効率的な合成を実現し、すでにこの方法を用いて大腸菌リピドAの合成に成功した。 続いて酸性条件下で不安定なグリコシルリン酸基を安定なカルボキシメチル基に置換した類縁体(CM類縁体)について,アシル化パターンの異なる6種類の化合物からなるライブラリーを合成し、これらの類縁体が脂質部の組成が同一であるにもかかわらず,内毒素活性,アンタゴニスト活性,あるいは不活性と異なる活性を有することを明らかにした。また分子動力学計算によるこれら類縁体のコンホメーション解析を行い、アシル基間の相互作用によってコンホメーションが規定されることを示した。 続いて紅色光合成細菌由来の複合糖質リピドAの合成について検討した。すでにCM類縁体を合成してこれが内毒素活性を示すことを示したが、天然型であるリン酸化体の詳細な生物活性は明らかになっていない。バルビツール酸誘導体をリンカーを介して糖受容体に結合させた後,糖供与体と縮合してアフィニテイー精製を行うことによって二糖合成中間体を高収率で得た。水酸基ならびにアミノ基の脱保護とアシル化を順次行って完全アシル化体を得た後,リンカー部を切断した。この段階で高純度に精製を行ってから,1位アリル基の脱保護,リン酸化,最終脱保護を経て目的の天然型リピドAの合成に成功した。さらにアシル基としてフルオロアルカノイル基を導入した類縁体の合成についても検討した。
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Report
(1 results)
Research Products
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