d-π共役型分子磁性体における磁気的相互作用の理論的研究
Project/Area Number |
01J00826
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
機能・物性・材料
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大西 拓 大阪大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 強相関電子系 / ペロブスカイト構造 / ハイブリッドDFT / 反強磁性 / Jahn-Teller効果 / K_2NiF_4 / K_2CuF_4 / KNiF_3 |
Research Abstract |
本年度の研究では、d-π共役分子磁性体のうち、強相関電子系のペロフスカイト構造をもつニッケルおよび銅のフッ化物に着目した。昨年度の研究より有効な計算手法であるとされたハイブリッド密度汎関数(DFT)法によるK_2NiF_4に対する計算を、引き続き実行し、チャージの効果や核間の距離を変化などの外場の影響を検証した。また、Jahn-Teller効果により歪んでいる銅フッ化物であるK_2CuF_4の計算を行うさいに、周囲のフッ素の影響を考慮に入れることにより、計算で、その効果を取り入れることに成功した。これにより、モデルクラスターでは、テトゴナル位に存在するフッ素イオンが歪みに大きく関与していることがわかった。一方、KCuF_3では、一軸性の強い反強磁性的相互作用をすることが知られているので、直鎖状のモデルクラスターにおいて、計算を実行した。それより、一軸性のσ型の超交換相互作用により反強磁性が実現しており、有効交換積分値の実験値を、よく再現していることがわかった。また、三次元ペロブスカイトであるKNiF_3の計算にも成功し、面間の磁気的な相互作用を検証することができた。面内の反強磁性的磁気的相互作用は、これまでの研究により明らかにされているが、これにより面間においても、フッ素イオンの2pσ軌道を介したニッケルの3d軌道間の超交換相互作用により三次元的反強磁性が実現していることがわかった。一方、面間が強磁性的な状態とを比較すると、この状態は面間が反強磁性的な状態よりも不安定であることもわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)