Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
これまでの体温調節神経系を明らかにする研究では動物全体を寒冷・暑熱暴露していた.その為,その反応は遠心性の神経によるものか,求心性の神経によるものか断定することが不可能であった.昨年度は,体温調節の中枢である視束前野を加温・冷却することにより遠心性の温度情報伝達に関与する神経核を検索することに成功した.本研究では視束前野・視床下部からその神経核の一つであり,かつ最近体温調節に関連して注目されている中脳中心灰白質(PAG)への神経投射を明らかにすることを目的として2つの実験を行った.まず1.逆行性のトレーサーであるCTbをPAGの吻側部および尾側部に投与し,同時に個体を暑熱・寒冷暴露することで得られるFos蛋白の発現を検索した.結果,PAGの尾側部にCTbを投与しラットを寒冷曝露したときにのみ,視床下部背内側部(DA)から視床下部後部(PH)にかけてCTbでラベルされ且つFosを発現した神経が認められた。すなわち,DA/PHは末梢からの冷情報を受け,且つ中脳にシナプスを介さないで直接遠心性信号を送っていることになる.最近Pseudorabies virus(PRV)を使ったtrans-synapticな逆行性のトレース法が開発されている.そこで,2.PRVを非ふるえ節産生の効果器である褐色脂肪組織(BAT)に投与した時に得られる脳内PRV陽性細胞の発現を検索した.結果,virusの感染は感染初期で延髄縫線核(RPa)に,中期でPAGの尾側部,およびDA/PHで認められた.この結果は,末梢から冷情報をうけたDA/PHがPAGの尾側部,RPaを経て,BATにその情報を入力することにより,非ふるえ熱産生反応を起こすことが明らかになった.
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